第3話 火遊び
ちゃんと知ってる。
それはある意味、誠実――?
彼には恋人が、しかも結婚する約束をした婚約者がいる。
彼にはそうしっかり知らされていたの。
🌹
――逢瀬、私と彼の何度めかの。
「
雄の顔した男が私を求めて切なそうに抱きしめてくる。
翼のマンションの部屋できつく腕に抱かれ私の耳元で囁かれる彼の声に疼く思いが湧き上がってしまう。
私は逃れる術を考えられずにいた。
上司の近藤翼には婚約者がいる。
私、きちんと説明を受けていたし。
結婚までの期間限定で付き合うことに私が同意してしまったのは周りの友達にみんな彼氏や旦那がいたから、――ほんの束の間一人の寂しさを紛らわすため。
一人寝の寂しさを人恋しさを温もりで満たすために。
ちょうどいい関係性じゃないか。
のめり込まなければ次の恋の準備みたいなものになるんじゃないのかな。
――だけど。
……甘かった。
私は翼を好きになってしまっていた。
本気になってしまった。
この恋に私は、相手の遊びの恋にハマってしまったのだ。
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