第5篇 教師の母校、花咲く想い出
窓際の席 空を眺めていたあのこ
授業の用意も広げず まっすぐ
だれも見てなんかいなくて
カーテンに煽られ 消えてしまいそうな
薄くて哀しい 青色の 鳥が
ぼくは
きんと冷える日 空を眺めていたあのこ
入れないはずの屋上に ひとり
だれも見てなんかいなくて
氷のような柵の前 立ちすくんで
空へと飛び立つ 透明の 鳥を
ぼくは
窓際の席 あのこを眺めていたぼく
チャイムも待たず黙って 走る
だれも見てなんかいなくて
拾い上げて埋めた 桜の木の下
慈愛を求めた ぼくだけの 鳥が
まだ そこに
桜は綺麗に咲いている
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