第4篇 暁の鳥

 はるか遠くで、お姫様が泣いています。

 眩い月光が目に刺さって痛いそうです。

 可愛いお姫様があまりにも目をこすったので、宝石のような碧い目は血のような赤色に変わってしまいました。

 悪魔がもつとされるその瞳に、王様は怯え、お妃様は落胆しました。

 目が赤くなっても月はいっそう輝き、

 お姫様はポロポロと涙のかけらを落とします。

 そこに小さな醜い鳥がやってきて、

 それはそれは綺麗な声で歌いました。

 黄色いおしりをふりふり振って歌いました。

 お姫様は歌に誘われ、目を開けましたが、

 小鳥の醜さに絶句して、庭の小さな池に沈めてしまいました。

 するとまたいっそう月が輝き、

 お姫様の目は燃えるように熱くなりました。

 その次に今度はたいそう美しい赤い尾の鳥がやってきました。

「君は目が痛いのかい?」

「ええ、痛いわ」

「それじゃあ、目を開けてごらん。僕が痛みをなくしてあげる」

 お姫様が喜んで目を開けると、赤い尾の鳥はすばやくその目をつつき、碧く戻っていた瞳をつぶしてしまいました。

 窓際に飛んでいった鳥は、それはそれは綺麗な声で歌いました。

 黄色い尾羽根の頃に投げ込まれた池を見ながら歌いました。

 目をつぶされたお姫様は、その声を聞いて、やっと悔やまれたそうです。

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