第4話 スキル
「それで、ダンジョン講習てのはどんなんだ?」
俺はダンジョン妖精シロンに尋ねる。
「まず、
「基礎スキル……か。それって習得むずかしかったりするんじゃないの……?」
ダンジョン探索者にはスキルというものが使えるというのは知っている。
だけど、スキルというのはさまざまな習得条件を乗り越えないと、覚えることができないものだともきいている。
いきなり5つもスキルを覚えろってったって、そんなの無理だろう。
「大丈夫です、こちらもご先祖様からの遺産に含まれています。今から私が魔法をかけますので、それによって
「おお、そりゃあいい。だけど、そんな簡単にスキル覚えられちゃっていいのか……?」
「基礎的なスキルだけですので、問題はありません」
「そうか」
まあくれるというのならもらっておこう。
基礎スキルがあれば、なにかと役に立つだろうしな。
「それではいきますよー! 今から
「おう……!」
妖精は手からなにやら魔法を放った。
魔法は俺の身体を包み込み、空中に霧散した。
「これで、もういいのか……?」
「はい、これにて
「そうか、ありがとう」
「ためしに、ステータスオープンととなえてみてくださいな」
「ステータスオープン……!」
俺がそう唱えると、目の前に文字が表示された。
これがダンジョン探索者にだけあたえられた特別な力、ステータス。
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名前 矢継早
レベル 1
スキル一覧
・アイテムボックス
・瞬間転移
・
・ビーストモード
・ネメシスフィールド
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「これが基礎スキルか……それぞれどんな効果なんだ?」
「アイテムボックスは、文字通りアイテムを無限に収納することのできるスキルです。これはダンジョン探索者にとってはもはや必須といってもいいスキルですね。持っていない人はいませんよ」
「そうなのか」
たしかに、アイテムボックスがあると便利そうだ。
ていうか、アイテムボックスがないと戦利品をもちかえるのにひどく苦労しそうだな。
俺はダンジョンのことにはめっぽう疎いから、そのへんがどうなっているのかは知らなかった。
「瞬間転移、これも文字通りですね。マッピングしたことのある場所にどこでも移動できます」
「なるほど。これも便利そうだ。マッピングっていうのは?」
俺はダンジョンについてはまるで初心者で、なにもかも知らなかった。
「マッピングはスキルではなく基礎仕様ですね。ダンジョンの中を歩くと、自動で道がマッピングされていきます。ほら、視界の左上をごらんください」
「あ、ほんとだ」
視界の左上端に目をやると、そこにはゲームよろしくミニマップがついていた。
なるほど、これはダンジョン探索者全員にあたえられた基礎能力なんだな。
「
「なるほどな、たしかにそうだ」
「
「あとでためしてみよう」
必須スキル5つの中には、スキル名だけで仕様がなんとなくわかるものもあれば、まったくわからないものもあった。
「この、ビーストモードていうのは?」
「それは、一時的に強化モードに入るスキルですね。
「なるほど、切り札的なやつか」
「ネメシスフィールドは、使うと10秒間、周りの動きがゆっくりになります。これも、まあ一日一回が限度だと思ってください」
「オーケーだいたいわかった」
確かにこれだけのスキルがあれば、俺でもなんとか戦えそうだ。
「それでは、さっそくチュートリアルといきましょうか」
「チュートリアル?」
「私が今からここにモンスターを呼び出しますので、実際に倒してみてください」
「なんか、怖いな……」
「大丈夫です。
「よ、よし……!」
「では……! いでよ……!」
ダンジョン妖精がそういうと、また地面に魔法陣が描かれた。
そして、魔法陣からは、一匹のスライムが現れた!
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