第16話 

…神は来沙を失望したような目で見た

そして、神々しい地面とは裏腹に

来沙の顔は暗かった…

まるで照明が点いてないように…

神は呆れた声で嘆いた


「この程度か…」


神は杖を持ち、振り上げた…

「葬りはしとくか、

どんな悪人でも人権はあるしな」


そう言って神が杖を

振り上げようとした瞬間



来沙は鎌で正面から殴りに行った…


バギャボギギィ


神は焦って杖を来沙の右捥めがけて杖を

振り下ろしてしまった…


もちろん来沙の右腕は粉々になり

脇の辺りまで紅い血が見え、巡っていた

来沙はやせ我慢の声で叫んだ


「私には…全く……効かない…!

目的を実行するため……」


「(こいつ…正気か……?)」


神でさえ驚く…来沙の愚かさ…

きっと…常人が見ても狂人にしか見えない…


だが


来沙は一人称として…

自分が正しいと思う「強い心」で

この力は今成り立っている…


来沙は利き手を失っても 尚

とっかかるのをやめない…


神は…心に冷静さを取り戻した

今の神から見れば、傷だらけのイノシシが

真正面からとっかかってくるような物

神は杖を取り出そうとした瞬間…

気付いたことがあった


『杖が無かったのだ』

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法律ナックル みつるぎくん @mitsurugikun

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