第9話

来沙達は魔界の安全な城の中に居た


「ありがとうございます!

先輩!本当にありがとうございます!」


「良いって事よ!

それより!連れの方が契約相手かい?」


「そうです!」


来沙が呆然としている間に

話が進んでいく…来沙は不愉快に感じたが

一切、口に出さずに話しかけた


「助けてくれてありがと…」


「そんな!感謝しなくて良いよ!」


来沙はどことなく、何かを感じていた

そこから来る、寒気が…


「ところで、死神の契約は

何だったんだイ」


バガァアァアン


その瞬間、一瞬だった

死神ちゃんの先輩は内部から

爆発し、消し飛んだ…

誰もとめられなかった


不可避の現実…

死神ちゃんが悲しむ暇も無く

先輩は爆発した


「嘘………嫌だ…

嫌だよおぉおおおおお

嫌…嫌…先輩…帰ってきてよぉお…」


死神ちゃんは悲鳴を上げながら

叫んだ…来沙は無関心だった


ただ…利用すること魔王の殺し方を

考えていた…悲しむフリをしていた


死神ちゃんは気付いた

いつも通りなんて無いことを

当たり前なんて無いことを


そして、死神ちゃんは鎌を振り上げた

来沙は気付いた…


「どうしたんだ?死神ちゃん?」


「……………死んでください」


死神ちゃんは鎌を大きく

振り上げて戦闘態勢に入った

死神ちゃんが信じられる物は

もう何も無かった…

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