明鏡止水というスタート地点

明鏡止水

第1話

あるところに、とある女がいた。

彼女は小説めいたものを書けるだけで幸せだった。

いつか、このスマートフォンからダウンロードしたアプリケーション、カクヨムだけに綴っている物語を、Microsoft office soft Wordで書き起こして、本にしたい。奥付け、というものも忘れてはいけないらしい。あとノンブルと呼ばれるページの番号も。

他の若い人はどうしているのだろう。

いや、老若男女、このカクヨムで作品を書いているだけで、日記にも綴らず、わたしのようにここだけに作品を発表している人は。

自分の作品が急に全部消し飛んだら、PVもブックマークのようなフォローも、ハートもコメントも。

意味は分からないが全てが励みだ。

女は小太りだ。だが。

心が痩せるよりはいい。

言葉も食べて生きている。

本の虫だ。しかし、ここの、カクヨムの文章しか、女はあまり読めなくなっていた。

日に何度もアプリを開いて、ベルマークに赤い点、通知がないか確かめている。

今書いていることも、短編小説の一人語りにはなるかもしれない。

女は江國香織さんのつめたいよるに、という短編小説集を思い出した。

女はパソコンが使えぬ。

習ったが、いまも段落をつけるのが面倒なくらいにすぐ軽い資格だけ取って、うんと処理能力の遅いPCと、壊れて写真しか印刷できなくなったプリンタだけを持っている。

街の印刷所は、同人誌の発行をしてくれるだろうか?今調べている途中だ。

もし、できるなら、アナログ原稿でもいいなら書いて自分の誤字脱字だらけの作品や独白、キャッチフレーズやあらすじまで本にしたい。デザインとか決められるのかな。

まだ続く。

いつか、慣れないパソコンで打ち直すのが大変だろうに。とりあえずデータやアプリが消えては困るから作品だけでもノートやルーズリーフにまとめよう。ほら、句読点すら面倒になってきた。持ち味だと思っている文体まで変えてきた。

誰かキーボード打つのが早くて、わたしの湧き上がるこの書きたい欲に理解があって、それでいて原稿としてPCに打ち込んでくれる暇な人はいないだろうか。お金を出したいくらいだ。しかし、印刷にお金が何十万もかかるらしい。

自分でどこかに、頑張って書いて、いつかもし、子供ができたら、これはお母さんの作品よ、と我が子に見せる。これは、好きなキャラクターを思い描いて恋心を書いたもの。だから、お父さんの無精髭、お母さんは好きじゃないわ。剃ってくれた方がいい。あとこれは、お母さんが怖い病気になって、それがあんまりに宇宙で、全ての人がアダムとイヴとか、クレヨンしんちゃんみたいだけれど、そうじゃない。辛いことを、性別を逆転させるくらいに物語をひっくり返して、体験を頑張って、初めて小説らしい形にしてやった作品なの。

そうやって、大人になった我が子にカクヨムのアカウントや、原稿ごと晒したい。

だから、あなたも、本を読んでも、読まなくてもいいの。

お母さんは、自分の作品をスクショ、スクリーンショットして、それを壊れて黒インクの出ないプリンタで写真にして印刷しようと思ってる。

膨大な量よ。

ほら、今も増やし続けてる。

いま、お母さんなんて名乗っているけれど、私は独身。子供を身籠るかどうかもわからない。出会いはそれなりにあったけど、気になる人ほど声がかけられない。ずっとひとり。

さて、ここまで読めた方はいるかしら。

誰か良い案をください。

やっぱり地道に新しいPCとプリンタ、はいらないか。印刷所にデータだけ送ればいいとか。アナログ原稿をデジタル原稿に読み込んでもらえるとか。ネットに知識が沢山ある。あまりネットに自分のことを書かない方がいい。女性は特に。急に危なっかしくなってきた。大丈夫。これも物語。書いているのは、わたしの理解ある彼氏かも知れない。一気に冷めましたか。それでも、どこかに、しのばせよう。わたしだけの特徴。そう。

読書と、しがない物書きの、さらにさらにはしくれの、初心者。

どうか皆さん。よろしくおねがいします。

カクヨムのみなさんへ。

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