第3話
フライパンの上で油が弾ける。
パチパチと音を鳴らして、真ん中に落ちた白と黄色のツートンカラー。
最近はもっぱら目玉焼きにハマっている。
いつもだったらベーコンも乗せるんだが、冷蔵庫を見たら無かった。
姉貴にお願いしたはずなんだが、色々と買い足せていない。
まあいいか。
どうせ今日はスーパーに寄る用事があるんだ。
スーパーというか主に百均だが。
どういうわけか、キッチンの戸棚がぶっ壊れてるんだ。
姉貴が壊したのは間違いない。
毎回勢いよく閉めすぎなんだよ。
多分磁石の部分を取り変えればなんとかなるんじゃないかと思うけど、まあ、取り替えて見ないことにはなんとも言えない。
今日の夜文句言ってやろう。
遊んでばっかいないで、少しは家のこともしろって。
トースターのタイマーが鳴って、焼け目のついたパンを取り出す。
ヨーグルトには、スプーン一杯のストロベリージャムを。
それから、大さじ2杯のフルグラ。
…ぶっちゃけ、失敗したと思っている。
甘ったるいんだよなこのジャム。
もうちょっと酸味があることを期待していたんだが、甘味料が盛り盛りのせいで、加糖ヨーグルトとの相性が抜群に良くない。
パンにバターを塗って、コーヒー牛乳をコップに注いだ。
我ながら完璧な朝食だ。
少々栄養成分が偏ってる気がするが、まあ気にしない。
未来じゃシリアルばっかだったからね。
やっぱひと手間加えるくらいが丁度いい。
毎回作るとなると面倒だけど、朝が来たって感じで心地良いんだ。
とくに焼きたてのパンの匂いを嗅ぐのは。
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