第14話 鳩から学ぶ恋愛
「あ、カワセミだけじゃなくて、鳩の求愛も……と言うか、鳩の求愛ってすごいんですよ!!」
カナリーがそう言うと、イーグは「うーん」と唸る。
「鳩ってその辺によくいるけど……そう言えば、鳩の求愛ってどんなのか知らないな」
「すごいですよ。めっちゃしつこい……諦めが悪いんですよ」
「え?そうなの?何か鳩ってぽわんとしたイメージがあるから、しつこいのって意外……」
リリィがそう言うとシエルも同意だと言わんばかりに激しく頷いた。
「ドバトの場合は、喉を膨らませて胸を張って、尾羽を広げ体を大きく見せるんです。それで、首を上げたり下げたり……ステップを踏んで踊ったり」
「激しい……」
ノワールがそう呟くが、カナリーは「それで終わりませんよ」と言う。
「そうやって踊って、ひたすらメスの周りをうろつきます。たとえメスがエサを食べていて無視をしても……!そして……メスがその場を立ち去ろうとすれば、すかさずオスはメスの前に回り込んでアピールするんです!何度も何度もメスを追いかけて、ひたすらアピールするんですよー!!」
「わお。攻めて攻めまくるわね。イーグさん、鬱陶しく思われない程度に鳩みたいに攻める気持ちを持ってね」
「警察を呼ばれない程度に頑張って下さいねぇ~」
リリィとシエルにそう言われ、イーグは「が、頑張りますっ!!」と言った。
「そうそう……イーグさん。礼儀も忘れずに恋愛頑張ってください!キジバトの如く!!」
カナリーがそう言うとイーグは首を傾げる。
「キジバト??」
「キジバトの求愛は、ひたすら首を上下に動かすんです。その姿は、まるで頭を下げて必死に頼み込んでるかの様……。礼儀を忘れずに行動してください!」
カナリーがそう言えば、イーグは「了解です!!」と言った。
「キジバトはしつこくないんですか?」
ノワールがそう聞くと、カナリーは全力で首を横に振った。
「キジバトもしつこいです!!」
「あ、しつこいんだ……」
「いやぁ~皆さん、オレの相談、聞いてくれてありがとうございましたっ!!」
イーグは勢いよく頭を下げる。
「皆からのアドバイスを聞いて、イーグさんはこれからどうするんですか~?」
シエルがそう聞くと、イーグは「うーん」としばし唸った後、答えた。
「経済力の見直し!プレゼントリサーチ!礼儀!攻める!頑張る!!」
イーグは元気いっぱいにそう言った。
「まぁ、頑張れ。話は聞いてやる。だけどここには来るな」
ノワールはそう言うと自分のデスクに戻って行った。
「えー!?ノワールひどいー!!シエルさん、困ったらまたここに来てもいいですよね!?」
「いいですよ~!何なら結婚までお任せくださ~い!!妖精族と人間の結婚に関しては詳しい方なんで~」
シエルがウインクしてそう言う。
「うわー!めっちゃ頼もしい!!じゃ、さっそくオレ、プラン立ててきます!!」
イーグはそう言ってバタバタと慌ただしく、相談所を去っていった。
「イーグさん、上手くいくといいわね」
リリィがそう言うとノワールがボソリと呟く。
「アイツ、いい奴だし……上手くいくかも」
ノワールのその言葉を聞いたシエルとカナリーはふふっと笑った。
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