第13話 何かアドバイスください!

「のわ~るぅうう!!オレを助けてくれよぉお!」


相談室のカウンターで、子どもみたいにじたばたと暴れる成人男性が1人……。

そして、側には頭を抱えるノワール。


「おい……だからって、何でここに来るんだ……」

「え?だってここ、相談所なんだろ?」


本日の相談者は、ノワールの友人。イーグさんだ。


「……さっさと帰れ。お前の相談は仕事終わりに酒飲みながら聞いてやるから。どうせ大した相談内容じゃないんだろう」

「ノワールひどい!!オレの将来が関わってんだぞぉ!」

「まぁまぁ~2人とも落ち着いて~!イーグさんの話、とりあえず聞いてあげましょ~。話して~聞いてもらうだけでも心がスッキリ!あら不思議、問題解決~!みたいになるかもしれないですからねぇ」

ぎゃあぎゃあと言い合ってた2人を仲裁するのはシエルだ。

そんなわけで、とりあえずイーグの話を聞くことにした。





「てなわけで!妖精族のあの子に恋しちゃったわけでーどうしたらいいと思いますかっ!?」

「がんばれ」

「おい!ノワール、棒読みだぞ!?シエルさん~なんかアドバイスありませんか!?」

「うーん、イーグさんの経済力しだいですかね?愛だけでは人生やっていけませんよぉ」

「正論ですね!!」

イーグがわしゃわしゃと頭を掻き回す。


「経済力は~まぁ、何とかするんで!!他に何かアドバイスありませんか!?」

イーグがそう叫ぶと、肩をポンッと誰かに叩かれる。

「当たって砕けろ。攻めて攻めまくるのよ!行動あるのみ!チャンスは自分で掴むものよ!!」

リリィだ。後ろからひょこっとカナリーも顔を出す。

「どんな相談内容なんですか?私の鳥の知識、活用できますかね?」


外での仕事が終わって、リリィとカナリーが帰ってきた。

イーグはリリィとカナリーに改めて、話をした。



「なるほど、恋愛相談ね。うん……私の意見は変わらないわ。行動あるのみ、チャンスは自分で掴むものよ。頑張って相手に好かれる努力をすることね」

「リリィさんは超アクティブタイプだね~勇ましくてカッコいい~」

シエルがそう言うとリリィはちょっと嬉しそうな顔をする。


「カナリーさんは何かアドバイスありませんか!?」

イーグが瞳をキラキラさせて聞いてくる。

「ありますよ!イーグさん、是非ともカワセミになってください」

「……え?カワセミ??」

「はい!カワセミです。繁殖期のカワセミのオスは、メスに気に入られるためにエサを取ってきてプレゼントするんです」

「子育てするには食べ物は必須ですものねぇ」

シエルがそう言うと、カナリーは頷く。

「そうなんです!エサが取れないへっぽこでは子育て失敗してしまう可能性が高まりますので、オスはエサを取ってメスにプレゼントし、気に入ってもらう努力をするんです。メスはオスから貰ったプレゼントの質を見て、気に入ったらつがいになるんです!」


「……なるほどね。私の友達にね、彼氏から指輪をプレゼントされたんだけど、サイズが合わなかったのよ。服のサイズも間違えたり、好きな色を間違えたり……最終的に2人は別れたわ。プレゼントの質、大事ね」

リリィがそう語るとイーグは「ひょえ……」と声を出した。


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