第23話
役所としてもそういう職員がいるからといって「元妻」を名乗る相手に好きにプライバシー(彼は出勤しているか、今どこで働いているのか?)漏らすわけにいかないのだろうか?
電話だけでは相手の身元がよくわからないから、対応が一律的になってしまう。
警察に相談してみたほうがよいのだろうか。
行動できないまま、受話器をもって立ちすくむ…番号を押さないで、そのまま受話器を置いた。
私の妄想かもしれない。警察は警察できっと捜査中だろう。だから勝手に動くべきではない。
あるいは、元夫はだれかに利用されているのかもしれない?
暴力団とか組織?
だまされて、利用されて、拉致されているのもしれない。そんな妄想をしても、娘のことが心配で心配で手がつかないという風にならないのは、私は冷淡なたちなのかもしれない。元夫が離婚のときに私をなじったとおり、私には人間として母親としてどこか欠陥を抱えていて、それが元夫が日々、落胆を募らせていった原因かもしれない。私にだって言いたいことはあるのだが。そういう面が自分にはないと言い切れない。娘のことは心配だが、何も手がつかないというほどではない。
たまたまTwitterを見ると、主治医の匿名アカウントに、私?とおぼしき記載が載っていた。
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