第12話

主治医だが、診察室で見る、真面目でよく患者の話を聞く、優しい印象と、Twitter上の印象、いつも舌鋒鋭く一刀両断し、一部のマナーの悪い患者や障害者に対する嫌悪感を隠さず、優生思想、差別主義者のギャップが興味深かった。

私もTwitterからなんとなく目を離せなくなった。どちらが本当の彼なのだろう?月に1度弱しか会わないとはいえ、リアルで有名人を知っているというのは楽しい気持ちだった。

アウティングする気もなかった。身バレさせて炎上させることもしようと思えばできそうだが、そういう趣味もない。

私もTwitterのアカウントを持ってはいたが、まったく発信していない「鍵アカウント」だった。他人のツイートを読んだり「いいね」を押したりするだけのアカウント。自分で何か文章を書いて送信してみたいとは思わなかった。フリーランスはよくTwitterで自分の営業のためにツイートしているのを見かけたが、私はそういう営業活動のために自分の顔や実名を晒してツイートしようという気になれなかった。現時点でも取引先は海外の会社ばかりなのに、日本語で発信し続けても意味がないし、英語で発信できるほど英訳能力に自信もなかった。



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