告白のタイミング

 「「「「あざっしたぁぁぁ!!!」」」」

 練習試合は終わり、先輩達との最後の終礼。

 3年の先輩一人一人が己の戦いせいしゅんを振り返り、一言言っては涙を流している。

 僕たち後輩も、決勝で負けた時、なんならそれ以上に泣いている。

 「…じゃあ、っ、最後の挨拶!気をつけっ、礼!」

 優大ゆうだい先輩が、部長として最後の号令を掛ける。

 僕達は、先輩達は、涙も鼻水も流して、今出せる全力の声で、挨拶をした。

 「「「「「「「「「「ありがとうございましたッッ!!!!!!!」」」」」」」」」


 「いとさん、お疲れ。ナイスファイト」

 「おつぴよ、じゅんくん。そっち持つよ」

 練習試合の片付けをしながら、糸さんと話す。

 糸さんも僕も涙を流したままで、顔がひどい状態だった。

 僕にとっては、糸さんのその顔も愛おしい。

 「あー、本当いい経験だった。特にさ、___ 」

 この間、糸さんが好きだと分かった。

 僕は、どうしたい?

 告白したいのかな。

 …どうせ好きなら、した方が良いよな。

 「…だったら、いつ?」

 告白のタイミングはいつにしたら良いんだろう。僕の都合で言っちゃダメな気がする。

 テニスは、メンタルも試合に関係するから、僕の都合で崩しちゃダメだ。

 するとしたら、全部終わった後の方が良いのかな。

 「よし」

 決めた。

 告白するのなら___。

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