異世界ダンジョンに幽閉されましたが、スキル【無窮回答】で攻略余裕です
@サブまる
第1話 薄暗い岩の中で
全身に鈍い痛みを帯びる。
体を起こし、目を擦る。
ひらけば暗く、ところどころに淡い光が漏れる岩肌が広がっていた。
ところどころにヒビが入り、謎の気配が漂っている。
「………ここはどこ」
――アンサー――
ダンジョンです。非常に危険であり、複数の階層から成り立っています。
数多くのモンスターやトラップが待ち受けており、多くの冒険者が命を落とします。さまざまなアイテムを採取することができ、多くの場合、高値で取引されます。
――――――――
「どうやら夢じゃなかったらしい」
家でダンジョン攻略ゲームをやっていた記憶が最後。起きたらここにいた。
ついゲームのノリでシステムに質問したら返ってきたが、なんだこれ?
現実……? だよな?
――アンサー――
はい、現実の世界にいらっしゃいます。このダンジョン内で死亡した場合、冒険者の肉体はダンジョン内に取り込まれ、二度と帰還することはできません。また、冒険者たちが持っているアイテムや装備品も、ダンジョン内に残されてしまいます。
――――――――――
まじかよ。俺装備とかなんも持ってないだが。
――アンサー――
周囲の状況を確認してください。次に、食料を見つけてください。ダンジョン内には食料となる植物や生物が存在する可能性があります。また、防御力を上げるために身につけられるものを探すことも大切です。石や、木の棒、石ころなどで武器を作ってみましょう。ただし、魔物との戦いには慎重になる必要があります。
――――――――
すげえ。ゲームのガイドみたいになんでも答えてくれるわ。
ん、てことは、ステータスとかもみれたりすんのか?
――アンサー――
あなたの現在のステータスは以下の通りです。
レベル: 10
HP: 200
MP: 100
力: 15
素早さ: 20
魔力: 10
守備力: 10
現在の経験値は300で、次のレベルアップまでの必要経験値は400です。
また、あなたが所持しているスキルは【無窮回答】のみです。
―――――――――
すげえ、ちょっと興奮してきた。無窮回答ってのがこのガイドだな。
まずは言われた通り武器作って食糧探すか。
武器を作れそうなサイズの石はない。が、小石ならたくさんある。いくつか手に取りポケットに入れ、食糧を探し回ることにした。足元はかなり悪いが、なぜか靴を履いていたので助かった。
「待て、ダンジョンってことは他の冒険者もいるんだろ? そいつらに助けて貰えばいいじゃねえか。なんだ簡単じゃん」
しかし回答はなく、しばらくして、ピコンという効果音と共に脳内に声が流れた。
――アンサー――
現在、ダンジョン内にはあなたを含め6392人います。なお、現階層については一人です。
――――――――
なる……ほど……。とりあえず死ぬのは嫌だし食糧探すか。
――アンサー――
この階層に出現する魔物は、ゴブリンなど初級モンスターが多く、攻撃力も低いため危険性は低いです。ただし、食糧を探すためにダンジョンを歩き回るという行為自体が危険ですので、常に注意して行動するようにしましょう。
――――――――
はい。
というわけで、行きます。
足元の悪いダンジョンをできるだけ明るい方向へと進む。景色はそれほど変わらず、分かれ道がいくつもある。しばらく進むと少し広がり、そこに何か動いているものが見えた。
小柄な体躯で、顔には大きな鼻と耳があり、三匹ほどの群れがいた。あれがゴブリンか? そうっぽいな。ゲームの絵柄と似てる。
行けるか?
――アンサー――
レベル10で石ころしか武器を持っていない状態だと、3匹のゴブリンを同時に倒すのは困難です。ゴブリンは攻撃力や防御力が高く、狭い空間での戦闘では複数の敵に囲まれることが容易です。
ゴブリンは火に弱いと言われていますので、火を使う攻撃や、周囲にある火を利用して攻撃することも考えられます。
しかし、三匹のゴブリンに一人で立ち向かうのは非常に危険です。周囲に味方となる仲間もいないため、他の道を探すことを検討しましょう。
――――――――
さっきは攻撃力低いとか言ってたよね? まぁいいか。ゲームガイドがそういうんならそうしよう。
せっかく異世界を感じる機会だったというのに。でもまあ、家で引きこもってゲームばかりしてたような男がいきなり戦えるわけもないしな。
そう思いつつ、しばらくダンジョンを歩き回り、ちょうどいい寝所を見つけたのでその日はそこで終了した。
異世界ダンジョンに幽閉されましたが、スキル【無窮回答】で攻略余裕です @サブまる @sabumaru
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