これは詩集。ですがポエムという言葉で表される明るさとは異質なものです。穏やかな言葉遣いに隠された優しくないもの。まるでカミソリを仕込んだスポンジのように、握りしめると手が傷つきかねないもの。詩は軽いとは限りません。光の中にわずかに差す影も詩となります。危うい力加減と距離感を味わう詩集です。