第15話 侵入者 ー 悪名高き極悪ゴブリンギルド⑦
「アアァァ!」
マシンゴブリンは感情任せにガイに向かって斧を何度も何度も振り下ろす。
しかし、ガイはその攻撃を剣で弾き飛ばす。
「なんでなんでなんでなんでだぁ!」
マシンゴブリンが最高まで身体強化をしたにも関わらず、 攻撃は全く効いていなかった。
なぜならガイの身体能力が段違いに向上していたからだ。
通常時でも凄まじい速さ、動体視力を持つガイであるが、
神器を使用した際のそれは、もう人間の領域を超えていた。
まさに神であり、持ち手を神の領域に到達させる神器。
しかし、一般人や剣の心得がないものが持ったとしても効果がない。
剣に人生をかけ、力と技の最高到達点に達した剣聖が持つことにより、
この神器は天下無双の剣となるのであった。
マシンゴブリンは全ての手を尽くした。
斬り、殴り、蹴り、踏み、叩き。
しかしそのどれも意味をなさなかった。
「ガァァァ!」
そしてマシンゴブリンが渾身の一撃を放つ。
それを待っていたかのように、今まで防戦一方だったガイがマシンゴブリンの斧を弾き飛ばした。
「なっ!」
今までにない強い衝撃にマシンゴブリンは後ろに仰け反る。
完全に隙だらけの体勢だった。
ガイは目の前の巨体を高速で何度も斬り刻む。
もう弱点の場所なんて関係なかった。
まるで練習台のように力任せに斬っていく。
その時、マシンゴブリンの体内からドクドクと脈打つ緑の塊が出現した。
それは様々な管で繋がれており、ガイはすぐさま核だと理解した。
マシンゴブリンが焦燥しているのが伺える。
「心臓、あるじゃねーか」
そう呟いたガイが心臓であろう緑の塊に剣を突き刺した。
瞬間、マシンゴブリンが崩れ落ちる。
「ガッ・・・ここまでとは・・・」
静寂が訪れる。
「あー、マジで疲れた」
バタっとその場に倒れ込むガイ。
ここに勝負が喫したのであった。
高難易度ダンジョン最深部でスローライフ中の最強剣聖、世界中から攻略しようと集まる冒険者パーティーを撃退していく。 〜冒険者共、俺の家を荒らすな〜 ぺいぺい @peipei_1234
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