第11話 侵入者 ー 悪名高き極悪ゴブリンギルド③
円になってガイの周りを取り囲むゴブリンたち。
その円の形のままジリジリとガイのいる中心に詰め寄ってくる。
その数はおおよそ100匹以上。
さらにその1匹1匹が武器を持ち、戦闘に長けているゴブリンである。
そしてその様子を離れたところから見つめている、体の各所が機械で出来たマシンゴブリン。
たとえ100匹を倒したとしても、マシンゴブリンが待ち構えている。
絶体絶命か・・・
しかしそれは普通の人間の場合である。
この状況下においても、ガイに対してその言葉は適用しなかった。
「久しぶりに使うか」
ガイが呟く。
円はどんどんと小さくなっていっており、
既に手を伸ばせば届くところにゴブリン達は迫っている。
途端、1匹のゴブリンの合図と同時に一斉にガイに襲いかかる。
剣、ハンマー、棍棒、槍。
多種多様な武器がガイめがけて降り注ぐ。
そしてその武器がガイを仕留めようとした瞬間であった。
ガイの剣が炎に包まれたのだ。
そして業火の炎でゴブリン達を斬っていく。
「ギャアアアア!」
炎の剣で斬られ肉が焼けたゴブリンが草原をのたうち回っている。
神器である剣は赤く輝くように燃えている。
それは剣というにはあまりにも美しかった。
「その規格外の属性攻撃!それがお前の神器の正体かぁ!」
後方のマシンゴブリンが叫んだ。
神器・・・それは持ち主に強大な力を与える。
ガイの持つ神器は剣、その能力の一つである属性付与。
世界には火、氷、風といった属性が存在し、
それは魔法、武器など様々なものに付随される。
これだけ考えれば神器の属性付与など特別なものではないように感じるが、
神器の属性付与はマシンゴブリンの言う通り、規格外であった。
火属性であれば業火の炎を纏い、氷であれば全てをたちまち凍らせるような剣に成る。
「い、いけぇ!怯むなぁ!」
有象無象の中のゴブリンの一人がそう叫ぶ。
しかし、先程まで余裕そうだったゴブリン達は恐怖の表情を浮かべていた。
そんな弱気なゴブリン達をガイは灼熱の剣で薙ぎ倒していく。
「アァァァ!」
そこら中からゴブリン達の悲鳴、焼ける叫喚、倒れていく音が聞こえる。
途端に草原が地獄と化す。
次々とゴブリン達を葬り去っていくガイ。
「これが神器かぁ!これがあればどんな魔物もひれ伏すような、圧倒的強さを手に入れられる!」
マシンゴブリンがそう呟いた頃には、
既に100匹のゴブリン達は地面に沈んでいた。
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