第26話 勝負 アリアンテ編
「お前は喋れるんだな」
鬼化したハンソンは喋れはしたが何を言っているかわかりずらかった。
「おいおい、俺をなめるなよ。これは俺の加護だ使いこなせない訳がない。それに、あんな模造品に俺の加護が使いこなせるわけないだろう?」
「それも。そうか」
と飛んできたパンチを避け顔に蹴りを入れる。
「だが模造品というがお前はハンソンの『捕食』の様に人の加護を奪う事は出来ないだろう?」
「確かに出来ない。…が真似をすることは出来るこんな風にな‼」
とローファが前に手を出す。すると、吾輩の半身が無くなった。
「ハッ、良い威力だ」
「…今のは女王の『電光砲』か」
「…やっぱり。生きてるか」
一瞬だけ見えた光と当たってみた感じ、間違いないな。女王と違うところと言えば…
「それにしても、どうなってるんだお前の体はメイと戦った時もそうだけどよ。『超回復』ってだけじゃ説明が付かねぇよな。お前何を隠してやがる」
「お前もだろ、なんで女王より魔法の威力が高いんだよ」
真似をすると言うのはオリジナルつまり元々のものよりも威力が落ちるという事。だが、こいつの先ほど撃った『電光砲』は女王の全力より威力が高い。…いや、根本的な場所から間違ている。
「…それになんでお前、魔法が使えるんだよ」
加護を持っているなら魔法は使えない逆も同じこと、これは世界の掟であり法則である。それに奴は答える。
「それはな、俺が特別な存在だからだ。俺の体は生まれつき加護と魔法の両方の適性がある。まぁ、結局。最適なのは加護の方だったんだがな」
適性…魔力とかの話か。
「なるほどな。そうなると、お前の加護も見当がついてくる。最初は体が巨大化するだけの加護かと思ったが。魔法や自分の体を使いこなしているんだな?人が本来出せない100パーセント出すのがお前の能力だな」
だから、魔法の威力が上がる。だから、筋肉が肥大化し体が大きくなる。力を100パーセント出しているからこそ出来る技。
「正解だ。そう、力を使いこなすそれが俺の加護『鬼神』だ」
「まぁ、でも。逆に言えばそれだけなのか」
「あぁ?」
「100パーセントを出すだけそれがどうした。そんな能力じゃ吾輩を殺すことは出来ない」
100パーセント引き出せるからなんだ?吾輩を殺すことが出来なかった強くなって襲い掛かろうと結果は何も変わらない。再生して終わるだけの事だ。
「…お前のその自信はその加護から来ているのか?その『超回復』から」
「そうだな」
まぁ、正確に言えば『不老不死』もあるんだが。
「なら、その力消してやるよ。おい‼出てこい」
と出てきたのは赤い髪の少女。この少女は…。
「昔、男に絡まれてた少女じゃないか」
「何故そのことを‼って。あの時謎に表れた男じゃないですか」
入学式の準備をした日、男に殴られそうになったところを助け速攻で逃げ出された少女。
「こいつはな『封印』の加護を持った人間でな。面白いから連れてきたんだ」
…これ吾輩が探してた加護では?
「おい、こいつの加護を封印してやれ」
とローファは赤髪の女に指示を出す。
「えっ、でも。この人、一度私を助けてくれましたし…」
これは…死ぬ為のチャンスなのでは?
「吾輩からもお願いだ」
とお願いする敵から見ればおかしな光景だが吾輩は目標を第一に生きる。
「まぁ。貴方がお願いするのであれば」
と吾輩に手を近づける。触れれば発動する加護か。そして、もうすぐ触れるというところで。
「はい、ストップでーす」
という声と共に手を叩く音が聞こえた。
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