第20話 始まり

2時間と言う列車の旅も終わり王都こと『レヴァロン』に到着した。昔に一度だけ来た事があったが多種多様な種族の人間が住んでおり常に賑わっていた事を覚えている。列車を降り駅を出る。しかし、列車を降りた段階で吾輩は気が付いた。とても静かな事に。

駅を出てみると、昔のような活気もなく歩いている人間が少ない。それに、歩いている人間だがエルフの割合が多い様に感じる。

「なぁ、メイ。今の王都がどうなっているか知っているか?」

「今の王都?僕が知っている限りだとずっと昔からこんな感じじゃなかったっけ?いや、違ってたらごめんね」

ずっと昔からだと?つまり、吾輩が知っている500年前の王都より後にこんな状態になったという事か。

「いや、吾輩が忘れていただけだ。すまない。」

「そっか、それならいいんだけど」

そうなると、この場所について調べる必要があるな。まずは、

「メイ、先に宿に荷物を置きに行こう」

メイが持っている大量の荷物を置きに行こう。

「そうだね。…というか、ずっと思ってたんだけど君、荷物少なすぎない?」

メイは大きめのカバン2つ、吾輩はポーチ1つを持っている。

「いや、結構。色々持ってきているぞ」

と言ってポーチの中をメイに見せる。すると、メイは苦笑いしながら。

「これって、…無限ポーチ?」

「あぁ、そうだが。何か問題だったか?」

昔友人から譲り受けたものだ。すると、メイは吾輩に近づき声を小さく言った。

「問題大ありだよ。無限ポーチに使われている『無限』の魔法が消滅して以来。『無限』の使われているものは王族しか持てない様になって…」

そこまで言ってメイの言葉が止まり、そして。

「もしかして、君って王族の人間だったの?」

と言う結論に至った。

「そんな訳ないだろう。これは吾輩の友人から譲り受けたものだ」

「…なるほど。王族と繋がりがあるってことなんだね」

「…まぁ。そういう事にしておこう」

そんな話をしながら、吾輩達は宿に向かった。


「よし、行くか」

「そうだね」

宿に荷物を置き直ぐにどこかに行くことにした。さて、まずは。

「メイ何処か行きたい所はあるか?」

メイに任せよう。吾輩の知っている場所はもう無いだろうし。何があるか全然分からんからな。

「うーん。お腹空いたから何か食べに行こうよ」

と飲食店を探すことになり、近場の食堂で済ますのだった。

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