王都へ

第19話 出発

「よし、罪人には死を‼︎」

吾輩に向けられる兵器。吾輩は縛られ動く事が出来ない。

「アリア…‼︎」

メイの声が遠くで聞こえるが兵隊に押さえつけられている。『神の手』で薙ぎ払っても薙ぎ払っても無限に出て来る兵士、あれはメイでも苦しいだろう。

「発射ッ‼︎」

光が吾輩を貫く。

何故こんな事になったのか話は1週間前に戻る。

1週間前

カランカラン

「おめでとうございます。1等王都行きペアチケットです♪」

学園が休みだった為、吾輩は街で吾輩を殺せるかもしれない加護について調査をしていた吾輩はとある成り行きで福引きをし、1等を当ててしまったようだ。

「これが商品です。楽しんできてください」

と福引きの受付の女性に小さな箱を渡された。

それにしても、王都か。昔、科学文明が進んでいた王都。

「行ってみる価値はあるかも知れないな」

だが、ここで少し問題が出来た。チケットが2枚あるのだ。まぁ、1人で行けばいいのだが、王都を1人で調査するのは少し骨が折れる。こんな時に役に立つのは学園長のレイジだが、奴は忙しいだろうし。…仕方ない彼女と行こう。

2日後

「おはよう、アリアンテ君」

彼女とはつまり生徒会長メイの事。現在、吾輩が友と認めている者である。

「いやー、まさかアリアンテ君から王都へデートのお誘いだなんて嬉しいね」

といつもより多く冗談を含みながら楽しそうなメイ。

「今日の旅行がそんなに楽しみだったのか?」

「当たり前だろう。生徒会長になってから遊ぶ機会なんて全然なかったんだから」

「そうだったか」

確かに忙しいんだろうな。レイジも毎回の行くと疲れ切っている。

「あの列車かい?」

と指を指す先にはこの街には似合わない豪華な列車。

「あぁ、そうだな。あの列車だ」

『ロストレイン特急』高級感のあり、世界で最も速い乗り物でもある。

改札を通り、吾輩達はすぐに列車に乗り込んだ。そして、チケットに書かれた席を見つける。

ふわふわの席に座り後は到着するのを待つだけ時代は便利になったものだ。

そして、直ぐに列車は動き出した。

「後は、待つだけだな」

「そうだね、早くつかないかな」

ここから王都まで大体2時間ほど、その時間をトランプをして、過ごしたのだった。

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