第15話 鬼の正体
吾輩はメイに昨夜見た鬼の話をした。吾輩の話を聞いたメイは少し考え
「、、、もしかして『鬼神』野郎か?」
と嫌そうな顔をして1つの結論に至った。
「口が悪いぞ」
と苦笑いをする吾輩。それに対しメイは
「あはは、、、」
と何かを含んでいる笑顔を見せた。そして、少し間が空きメイは説明を始めた。
「『鬼神』野郎、、、ローファって言えば君もわかるかな?」
「ローファ?、、、あぁ、訓練第1位の男か」
「うん。それとあいつは生徒会長候補の1人でもあった」
「どんな奴なんだ?」
「自分が1番凄いと思っている人かな」
「でも、実際訓練で1位を残すってことは凄いんだろ?」
「凄くはないよ。実際加護なしだともっと下の順位だろうし」
「戦ったことあるのか?」
「僕はあいつの元クラスメイトだからね。手合わせぐらいはやった事あるよ」
実体験に基づくメイの解析は正確だ。つまり、本当の事なんだろう。
「というか、僕はそんな見たり戦ったりしてない相手を下に見たりしないよ」
と吾輩の心を見透かしたように言った。
「そうだったな」
としか返せなかった。
「さてと、あいつについて話すことはこれぐらいかな?」
「最後に加護について聞かせてもらっていいか?」
「『鬼神』についてか、、、。あんまりあいつの加護について話したくないけど。まぁ、仕方ない。『鬼神』は鬼になれる加護なんだよ。加護が発動すると角が生え身体能力が向上する。しかも、そこらの強化系が2倍とか5倍とかなのに『鬼神』は10倍20倍で強くなる」
だから加護なしだともっと下だと言ったのか。吾輩に話を終えたメイは席を立った。
「さて、気はならないけど行きますか」
どこに?と聞こうと思ったがこの話の後に向かう場所は一つしかった。
吾輩はメイについて行き3年教室前に着いた。そして、
「頼もー」
とメイは教室に入って行った。
それから10分後
「何だよ、離せよ。おい‼︎」
と『神の手』に捕まった男ローファが出てきた。
「離したら逃げるでしょ?」
ため息をつくメイ。
「メイ。事情は話したのか?」
「話そうとしたら逃げた」
「当たり前だろ。お前は俺に厄介なものしか持ってこない。きっと今回もやばいものを持ってきたんだー」
本当にメイはこの人に今まで何をしたのだろうか?ここまでとは。おっとこのままでは話が進まない吾輩は
「話だけでも聞いてくれないか?ローファ先輩」
と話しかけてみた。すると、
「ん?お前は1年の有名人」
さっきまで暴れてたのが嘘のように急に落ち着いた。
「本当に何かあったみたいだな?」
と頭を切り替えたようだ。
メイにローファを離すようにいい。その後、吾輩は事件の事を話した。それを聞いたローファは
「何だそれ。普通に初耳だぞ」
と初見の反応を示した。それでもメイは
「本当?」
と疑っていた。それに対しローファは
「本当だよ。そもそも俺の加護『鬼神』は身体能力の強化だけだぜ?どうやって人間の意識を奪うんだよ」
それは吾輩も思っていた。メイからは身体能力の強化の話しか出てこなかったし、、、。
「僕はね鬼が出てきた時点でお前が仲間達に指示を出したものだと思ったんだけど違うのかな?」
「、、、」
「やっぱりなんか隠してるじゃん」
「ち、違えよ。でも、思い出したんだ。俺の元に訪れたあいつの事を」
ローファは身を震わせた。
「本当に気味の悪い奴だった。全てを壊しそうな目をしていたあいつを。間違いねえ、あいつなら絶対に出来る」
勝手に完結しているローファ
「誰なんだそれは?」
吾輩がそう聞くとローファは答えた。
「ハンソン、、、『捕食』の加護の持ち主だ」
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