第10話 武闘大会④

焦っているメイ先輩の声が聞こえる。ほぼ全ての攻撃にハンマーを合わして受け流しカウンターを決めた。

「そこだな」

大きな音のする方へ思いきりハンマーを振り切る。すると、ドゴッという音と

「ッ‼︎」

メイ先輩の歯を食いしばる声が聞こえてくる。

次は刃が空気を切る音が聞こえ、そこにハンマーを当てる。すると、キンッ!と言う音で弾かれる。そして、音が何処かにいく。

いくつか弾いたり攻撃を当てたりしていると

「なるほどね。目で見えないなら音で探るのか、、、。このスピードに達するまで結構、頑張ったんだけどな」

と少し離れた位置で話しかけてくる。

「なら、、、」

と前から『神の手』が近づいてくる音がする。それに吾輩はハンマーを合わした、、、が空振りだった。当たらなかったのではなく『神の手』がいなくなったのだ。そして、

「捕まえた」

と後ろから声がした後、吾輩に背中から馬乗りになり右腕抑えられた。

「これで本当に君はもう何も出来ない」

「そうですね」

確かに右腕は抑えられ左腕は体の下敷きになっているため動けないが

「ですが、それは普通の人たちの場合ですよね?」

「まだ何かできる事があるのかい?」

もちろん。余裕である。まず、、、。

肩の関節を外す。そして、体を上向にしメイ先輩に抱きついた。体を上向にする方法?左腕が削れたり右腕を逆向きにしたりしたらできる。

「なんで、僕に抱きつく必要があるのかな?しかも何か当たってるし」

メイ先輩は少し顔を赤くして言う。

「これ知ってますよね?」

そう言いながら、さっきからメイ先輩に当たっているものをズボンのポケットから取り出す。それを見た瞬間メイ先輩の顔は青ざめた。

吾輩が握っているのは手投げ爆弾だ。

「もう1つのポケットに入っているのも爆弾だ」

「それって本当にヤバいやつじゃん」

と『神の手』も使い先輩が暴れ出した。

「ゼロ距離なら回避も防御も出来ない。と言う訳で」

吾輩は手投げ爆弾のピンを抜く。そして、笑顔で言った。

「吾輩の勝ちだ。楽しかったぜメイ先輩」

2人の間で爆弾が爆発した。

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