第10話 武闘大会③
グキッ‼︎ゴキッ‼︎と『神の手』に攻撃されるたびに吾輩の骨が歪んだり折れる音がする。だが、攻撃の癖がわかってきた。見えないが多分、吾輩の体の4分の3くらい、つまりつま先から肩ぐらいの大きさ。本気で殴れば吾輩の骨を粉々にする事が可能。多分デコピンのような事をして体の一部を破壊してくる攻撃もあり主には足。吾輩を戦闘が継続出来ない状態にしようとしてくる。
「メイ先輩それで全力なのか?」
正直この程度すぐに治る。吾輩は衝撃の元を殴り飛ばしながら言った。
「もー。痛いな。指が折れそうだよ。ちなみに君の質問に答えるとひとつ悩んでるんだけどナイフで刺されると痛いしなー」
「と言いつつも吾輩への攻撃はやめないんだな」
相変わらず骨が軋むような音がしているが攻撃されても踏ん張れるようになってきている。
「まぁ、いいか」
とニヤリと笑ったメイ先輩。そして、
「おっ!」
吾輩は『神の手』に捕まった。しっかり握られていて足以外動かせない。
「握りつぶすのか?」
「そんなことしても君は気絶さえしないでしょ?だから、、、」
と何処から出したのか分からない刀を鞘から抜き吾輩に向けた。
「これで一思いにやってあげるよ。大丈夫、僕が切り刻み過ぎて君の再生が追いつかなくても眼鏡君の魔法で完璧に治るから」
サイコパス感が強いメイ先輩がそう言うと吾輩に近づき首を斬った。
しかし、
「メイ先輩にしては甘い作戦だな」
「えっ?」
吾輩は首を一瞬で繋げ、肘に入れていたナイフを『神の手』に突き刺し、痛みで握る力が緩んだ所を更に体を捻り吾輩の周りを切り刻んだ。
「痛ッ‼」
メイ先輩の手から刀が落ち、血がダラダラと流れた。やはり本体を直接叩かないとダダメージが少ないか。と吾輩がそんな事を考えていると。
「ふ、ふふふ」
メイ先輩が笑っていた。そして、
「確かに甘かった。いや、君の加護を見誤っていた。まさか、首を切断してもすぐに再生したり体の中に武器を隠していたりするなんて。いや、それも僕なら予測できたはずだ。だって僕の『神の手』の攻撃を正面から何十発と叩き込んでも立ってる時点でおかしかったね」
そして、再び笑う。
「そうだ、いい事思いついた。ちょっと他人だよりになるけど、、、」
刀を拾い構えた。
「行くよ?」
その言葉と同時にメイ先輩の姿が見えなくなった。そして、
「おっ?」
吾輩の左腕が無くなって、、、。
ドゴッ‼と衝撃が走る。そして、次から次へと衝撃が来る。
左腕が再生した。すると次は右足を切断された。その後また衝撃の繰り返し。
「これは想定以上だな」
自然と口角が上がる。
「じゃあ、吾輩も次の手を出すかな」
そう言った吾輩のとった行動は、、、目を閉じる。
「ッ!」
メイ先輩の驚いた声が聞こえる。そして、刀が空気を切る音。『神の手』が近づいてくるのも何となくわかる。全てが遅い。吾輩は足を再生させ刀を避けた。そして、腕を振りかぶるとメイ先輩が後ろに後退した音が聞こえる。それを聞いた吾輩は上着を脱ぎ片手ハンマーを取り出した。吾輩は構え。
「さぁ、来な」
とそこにいる子供を嘲笑うように言った。
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