第10話 武闘大会②
学園の中に大きな闘技場がある。そこは普段、訓練のため使用される場所だが今日は違う。学園の生徒はもちろん、一般の客が入り武闘大会の開始を待ちわびている。本当は吾輩も観戦側に行きたかったがメイ先輩こと生徒会長直々の指名により学園最強と言われているメイ先輩と戦わないといけないのだ。おっと、こんな説明をしているとそろそろ開会式が始まりそうだ。
「皆さんお待たせしました。まもなく第18回武闘大会を開始したいと思います」
という男の声が魔法で拡散された。会場は静まり返りレイジ校長が出てきた。そして、色々長い話を聞かされた。五分くらい話していたが内容は正直覚えていない。
レイジ校長が話を終えると先ほどの男の声が会場に響いた。
「では、早速始めて行きましょう。まずは、トーナメントと関係のない特別戦を見せていただきましょう」
吾輩が会場に出ると向かいからメイ先輩が出てきた。そして、
「選手紹介をします。まずは、この学園で最強の称号を手にし今回のトーナメントを出禁になった。この学園の生徒会長メイ」
歓声が沸き上がった。やはり、生徒会長は人気も知名度もあるようだ。
「そして、対するのは。メイ生徒会長から直々に選ばれた謎の男。果たして実力はいかほどなのか。一年アリアンテ」
シーン。まぁ、誰だろう?てなるよな。吾輩には生徒会長のような知名度なんて無いからな。うんうん。
少し心に傷を負っていたら吾輩たちが立っているステージが透明な壁に覆われた。これが聞いていた障壁の魔法か。壁に完全に覆われると
「それでは試合を開始してください」
という声と共にベルが鳴った。
「よろしくね。アリアンテ君」
笑顔のメイ先輩。
「よろしく。メイせんぱ、、、」
突然の衝撃。そして、壁まで吹っ飛ばされる。
「不意打ちだ。なんて言わないでくれよ?」
「あぁ、もう勝負は始まっているからな。そんなこと言わないさ」
メイ先輩の加護『神の手』 巨大な手を操る。能力自体はあまり強そうではないのだが、問題もう一つの方にある。それは、見る事が出来ないのである。だからこそ強い。
「では、吾輩も行かせてもらうぞ?」
と言っても突撃するのではなくナイフを投げた。真っすぐメイ先輩に。メイ先輩は一本を弾いた後。タイミングをずらして投げたもう一本を避けた。そして、避けた後に
「もしかして、アリアンテ君は僕の弱点遠距離対応が出来ない事だと思っているのかな」
「、、、そうだな」
吾輩が答えるとメイ先輩は一気に残念がった。
「そっか。、、、じゃあもういいかな」
もう一度同じ衝撃が来た。しかし、
「ッ‼」
今回はメイ先輩にもダメージがあり手から少し血が出ていた。
「やっぱりだな。メイ先輩」
吾輩は笑顔で言う
「あなたの本当の弱点は、、、『神の手』と痛みを共にしてるんだな」
吾輩は先ほど『神の手』に攻撃された瞬間。その衝撃の元にナイフを突き立てた。
「じゃあ、そろそろ。本気でやるか」
そう言うと吾輩はメイ先輩の元へ走りだした。
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