第10話 武闘大会①

翌日

何も特別なことは無く、いつも通りの訓練だった。

翌日もそのまた翌日もいつも通りの日常だった。いつもと違う事としてはメイ先輩と学園で全く会わなくなったことぐらいだろうか。

武闘大会前日

夜も更けてきた頃。コンコンと誰かがノックをした。そして、誰かはすぐに判明した。

「アリアンテ君。私だ。ナファだ」

眼鏡さんことナファ副会長だ。すぐに吾輩は扉を開けた。

「こんな夜分遅くにすまない」

この人はいつも吾輩に何かと誤りを入れている気がする。ナファ先輩は続けた。

「メイ生徒会長が明日の武闘大会の準備で忙しいため私が代わりに色々と伝えに来た」

ナファ先輩から伝えられたことは明日の開会式の開始時刻、使用可能な武器などを細かく伝えてきた。そして、最後に

「メイ生徒会長から伝言を預かっている」

と言うと手帳を取り出し。

「やっほー、アリアンテ君」

と少しメイ先輩に近づけた声でしゃべり始めた。そして、

「いよいよ武闘大会は明日になりました。準備は万端かな?ちなみに、僕は完璧にできてるからね。さて、本当ならもう少し適当なことを喋りたいところだけど伝言役のナファ君が凄い睨んでくるから早速本題に入ろう。君が僕に勝てると言った日を覚えているかな?更に言うと僕に勝ったらなんでも言う事を聞くという件があったよね。あれに条件を付け足して欲しいんだ。それはね。逆に僕が勝ったらね、、、」

少し間をあけ

「僕と付き合ってくれないかな?」

本人から言われれば効果が絶大なのだろうが。言っているのが男の先輩のため何も感じない。というか明らかに

「なーんてね。ビックリしたかい?」

まぁ、嘘だろうな。

「さて、本当はね。生徒会に入ってほしいんだよ。僕とナファ君、会計ちゃんの三人でやっているんだけど人手不足でね。大変なんだよ。だから、僕が勝った時はよろしくね。、、、以上だ。」

いつも道理の声に戻ったナファ先輩に吾輩は言う。

「そんな軽い事でいいのか?」

と問うと。ナファ先輩は頷いた。そして、

「、、、君は本当にメイ生徒会長に勝てるのか?」

と心配そうに聞いてきた。吾輩は

「もちろん」

と胸を張って言う。ナファ先輩は

「そうか。、、、では明日はよろしく頼んだぞ」

と吾輩の部屋から出て行った。まだ少し不安そうに。吾輩からすれば吾輩が負けても雑用が増えるので喜ばしい事だと思うのだがな。さて、吾輩は吾輩でメイ先輩への命令を考えるとするかな。吾輩はベットに転がり命令を考え始めた。

翌日

いつもより早い目覚め。吾輩は運動服に着替え部屋を出た。ようやく始まる武闘大会。そして、学園最強の生徒会長との闘い。吾輩は胸を躍らせ会場へと向かった。

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