第7話 忘れ去られる文献①
話し合いから3日経過した。
吾輩は訓練と座学を受け、たまにメイ先輩が話しかけてくる。という普通の学園生活を送っていた。しかし、今日は少し違う。つけられているのだ。昼ご飯の時間も訓練の時間も物陰から水色髪の少女に。逆に少女の方へ近づこうとすると逃げられる。どうしたものなのか。と悩み最終的に吾輩が辿り着いた答えは、、、。
「何で女の子を追いかけていたのかな?」
少女を徹底的に追いかけ回したのだった。二つ誤算だったのは思った以上に逃げ足が速かった事とメイ先輩に見つかった事である。つまり吾輩は現在『神の手』にて拘束中である。
「あの少女がついてくるもんでな。何でついてくるのか直接聞こうとしたんだ」
と吾輩は正直に答えた。それにメイ先輩は
「、、、嘘っぽく聞こえるけど嘘ついているように見えないな」
と吾輩を怪しんでいた。まぁ、当たり前だろう。吾輩だって怪しい、、、いやもうやばい奴だと思う。しばらくメイ先輩は考えて、それから
「仕方ない。君の証言が本当か本人に確かめに行こうか」
と歩き出した。ちなみに吾輩は『神の手』にがっちりと掴まれたままである。
メイ先輩は吾輩の一年一組の隣にある一年二組の教室まで歩いて行くと
「こんにちは〜」
と元気よく教室の扉を開けた。すると、教室内の生徒が全員固まった。そして、メイ先輩が
「カノンちゃんいるかな?」
と言うと一つの場所に目がいった。一気に流れる。何をやったんだこいつと言う空気。そんな事を気にしないメイ先輩が吾輩を持ち上げながら。
「この人が君に用があるって」
とにこやかに言った。カノンとやらは吾輩と目が合うとすぐに逃げたそうな顔をしたが諦め。その後、吾輩と一緒に連行された。
連行された場所は生徒会室だ。で、メイ先輩がカノンとやらに
「この子をストーキングしてたって聞いたんだけど本当かな?」
と直球に聞く。カノンは小さく頷き口をぱくぱくし始めた。何を言ってるのか全くわからない。そこへ
「この子ね人見知り声が小さいみたいだよ」
「聞き取れるのか?」
「聞き取れるよ」
メイ先輩がカノンの声を聞き取った。吾輩は通訳を頼み話を始めた。
「ええっと、まずね。この子は歴史が好きみたい。それで、超昔に不死身の英雄がいる事を知って君がその子孫に当たるんじゃないかと考えたみたい。で、話しかけようと頑張ったけど人見知りで話しかけれなくて。見るしかできなかったこの子を君が追いかけたみたい。急に追いかけられたこの子は怖くて逃げちゃたみたいだね」
「なるほど、ありがとうメイ先輩」
「いえいえ。それほどでも」
「とりあえず、いくつか質問させてもらうぞ。まず、不死身の英雄って何だ?」
「、、、ええと。戦場で攻撃されても何度でも立ち上がった人らしいよ」
「それと吾輩に何の関係が?」
「それは僕でも分かるよ。君の異常なまでに高い『超回復』の事を指したいるんだろ」
「なるほど」
というかメイ先輩の中で吾輩の『超回復』は異常扱いなんだな。そんな事はさておき、不死身の英雄って。まぁ、吾輩の事だよな。でも、それ吾輩だなんて言っても信じてもらえないしどうしたものか。あっそうだ。
「すまないが。そんな先祖は知らんな」
そう言うとカノンはあからさまにガッカリした。
「でも、」
と吾輩は言葉を続けた。
今から吾輩がこの二人に語ろうとしているのは簡単に言うと吾輩の始まりの話である。
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