第4話 入学①

目が覚めた瞑想が終わったのだ。吾輩は制服を着てすぐに学園へと向かった。

ここは少し特殊な語りをさせていただこう。

桜が散る。今日吾輩はここ『アドミネンス学園』通う事になった。一体どんな学園生活になるかと吾輩は胸を躍らせながら学園に足を、、、

「お待ちしておりました」

「おい、レイジよ。よくも雰囲気を壊してくれたな」

「え?」

「まぁ、よい」

吾輩はさっさと校門を抜け校舎の中に入った。

「そういえばレイジよ」

「はい。なんでしょう」

「学校内ではきちんと職名で読んだ方がいいよな?」

流石に学校内で友達のように接するのは他の生徒からしたら違和感しかないだろう

「ええ、そうですね」

「では、今日から世話になるぞ。レイジ校長先生」

「こちらこそよろしくお願いします」

校長からここが貴方の教室ですと案内された。中に入ると生徒が十人ぐらい座っていた。

「開いている席にどうぞ」

この教室の担任だろうか?まだまだ若い。吾輩は一番前の席が開いていたので座った。

そこから数分で席が埋まった。吾輩の隣にはいかにも真面目そうな男子生徒が座った。そして、

「十八人全員揃いましたね。では、軽く自己紹介してから体育館に向かいましょう」

普通は自己紹介など後にするものなのではないのだろうか?

「ちなみに、私の名前はエミーです。これからよろしくお願いします。では一番左の席の方から名前と言いたい人は加護か魔法適性を」

と自己紹介が始まった。校長が手を回してくれているのか少し違和感を感じる。

一番左の席に座っている。ピンクの髪の女性から自己紹介が始まった。

「ミオンです。加護は手から小さな火を出すことが出来ます。魔法適性はありません。よろしくお願いします」

と手からマッチくらいの火を出しながら言った。実に模範的な自己紹介だった。

こんな感じでどんどん自己紹介が進んでいった。ちなみに隣の男は

「アキラです。加護はどんだけ運動しても疲れない『無限体力』の加護をいただきました。魔法適性はありません」

と見た目通りの男だった。

そして、少ししてから吾輩の番が回ってきた。久しぶりに名乗る吾輩の名。とても普通の名。

「アリアンテだ。加護は傷の治りが速くなるものを貰っている。魔法適性はない」

女みたいな名前だと?失礼な。

そんなこんなで最後の奴になったのだが、、、

「おいおい、このクラスにはこの程度しかいねえのか」

机に足を乗せ笑っている金髪の男。こんなに言うのならとても凄い能力を持っているのだろうか?

「俺の『剣聖』に比べれば雑魚ばっかじゃねえか」

「ぷっ!」

駄目だ。吹いてしまった。

「おい、誰だ‼今笑ったやつは‼」

男が怒鳴っている。吾輩は仕方なく手を上げた。

「いやー、すまんすまん。本当に最強の加護を貰ったっと思ったら『剣聖』とかいうから」

だいぶ昔に会ったことがあるどんな刃物でも最高の状態にし扱うことが出来る加護。戦闘系の加護では三番目に強いとされている。

「お前は、、、耐久系の加護持ちだったやつ」

吾輩の前に男は立った。隣の真面目な男は小さな声で終わったなと言っている。

「お前なんてサンドバックとしてしか利用価値の無い男だろう、、、が」

男がそこまで言った途端、吾輩と男の体が重くなった。

「口喧嘩はそこまでにしなさい」

先生の、、、これは魔法か?

「では、皆さんそろそろ入学式が始まるので移動しましょう」

「お前覚えとけよ、、、」

「先生そろそろ魔法を解いてあげないと彼が潰れてしまうぞ?」

「おっと、すいません」

結局このクラスに吾輩の求める者はいなかった。吾輩は少し残念そうにクラスの全員と移動を開始した。ちなみに、『剣聖』の男は吾輩の隣に座っていたアキラが抱えていた。

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