第3話 入学準備
男との喧嘩がぬるいと言ったが本当にぬるかった。
吾輩が男の掴んでいる方の腕を捻ってやるとすぐに根を上げ逃げて行った。男を見送り少女の方へ目をやると目を閉じて体を震わしている。
「大丈夫か?」
声を掛けるとゆっくりと目を開けた。そして、吾輩の顔を見た後顔を赤くし
「別に助けてほしくなんか、、、」
最後は小声で何を言っているか分からなかった。
「何か言うたか?」
聞き返すと少女は慌て何も言わず逃げて行った。まぁ、別に会話するのも面倒だったから良かった。
吾輩は宿に戻り部屋のベットの上に座った。入学は明後日、人によっては町を見て回ったりするのだろうが吾輩は違う。目を閉じ息を深く吐き一気に吸うすると意識が落ちた。そして、体感数分後。目を開けると太陽が昇っている。吾輩は長い間生きていて時間を飛ばす能力を得たのだ。まぁ、ただ瞑想して時間の感覚を狂わせているだけなのだが。
宿の受付に荷物が届いているか聞き、学園の制服と動きやすそうな服が4着ずつを受け取った。部屋に戻り一度制服を着てみた。測ってもいないのに吾輩の身体にぴったりである。
確認を終えた吾輩は制服を脱ぎ明日の入学式に備えてもう一度瞑想を始めた。目を閉じ息を、、、。
「すいませーん」
目を閉じて息を、、、。
ドンドンドン。
「すいませーん」
はぁ、誰だ本当に。吾輩は早く明日学園に行きたいのに。吾輩は仕方なく部屋の扉を開けた。
「なんですか?」
そこで意識は途切れた。理由は簡単、扉を開けた瞬間男が二人いて片方の男に棍棒で殴られたのだ。
「おい‼起きろ‼」
水をかけられ吾輩の意識は戻った。ここはどこかの廃墟だろうか?周りには男が三人
「よう、昨日ぶりだなガキ」
その中で一番小さい男いや違うな
「おぉ、昨日の少女に手を出していた名不詳の男ではないか」
「うるせえよ。お前今どんな状況なのかわかってんのか?」
「ん?手錠と足枷をつけられておるな」
そんなに心配することだろうか?
「じゃあ、吾輩の方が年下だと思っている若造に面白いものを見せてやろう」
「あ?」
吾輩は何処からかナイフを出した。
「お前それ何処から、、、⁉」
「おいおい、驚くのは早いぞ若いの」
と吾輩は吾輩の足を切り落とした。
「はっ?」
呆然としている若い者たち。
「さぁ、来るぞ」
吾輩の足は一気に元に戻った。
「なぁ、凄いだろう」
そして、手錠も外した。
「おま、、、どうや、、、」
「手錠なんて手の骨を砕けば抜けるだろ?何を驚いているんだ。本当に」
最近の若いのはこんなにも耐性が無くなっているものなのか。
「さて、吾輩はさっさと帰らさせてもらう」
そういい。吾輩はその場を後にした。若いのは絶望したかのようにその場に崩れ落ちた。
意外と町が近くてありがたかった。吾輩は宿に戻り瞑想準備を始めた。
明日はようやく学園入学。加護封印の人間に絶対に会って吾輩は、、、。
そんなことに胸を躍らせながら吾輩は瞑想した。
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