最終話 城の主 ベルフェゴール
「他に質問はなさそうですね。では、本題に入りましょうか。我らは
頭を下げお願いしてくるニスロクに二人は困惑した。ニスロクの話が本当であるならば、琉偉の真の敵はセラフィムである。力を貸してあげたいのだが、人間である自分たちが天使を相手にできるのだろうか…。
「ニスロクさんの話は分かったのですが、自分達の力など役に立たないのではないですか?」
「何も二人に
ニスロクはそう言うと、光を放ち琉偉達が見た事がある球体になった。
「「スキルオーブ!?」」
『どうやらお二人はこの存在を知っているようですね・・・・その事については後ほど聞くとして、これは天使の核です。いわば、私の魂だと思ってくれていいです。この状態であなた達の中に入れば、地上界でも消滅する事はないのです』
『天使の核』それはまさに、スキルオーブその物だった。知らず知らずのうちに、探索者たちは天使の核・・・つまり天使の魂を取り込んでいた事になる。
しかし、琉偉が迷宮でドロップしたスキルオーブは、今のニスロクの様に話は出来なかった。その事をニスロクに聞くと、
『我等には階級があります。下級天使ではこの状態で話す事は出来ないでしょう。…
「そんな事が…私たちは天使の魂を取り込んで強くなっているという事?知らなかったとはいえ、申し訳ありません」
『人間に罪はありません。
「え!?私ですか?」
『残念ながら人間にも魂の器という物がございます。現状では茜さんの器では私を取り込むのが限界でしょう。私を取り込んだ際、茜さんの中に私が存在する事になります。普段は静かにしてますが何かあれば答えますので、ご気軽に声を掛けてください。我等に協力してもらう感じで話していますが宜しいですか?』
「琉偉…どうする?」
「茜さんじゃなくて俺がニスロクを取り込めばいいんじゃないか?」
『…確かに琉偉さんは器が大きい。しかし、あなたにはベル様と他の5人の智天使を取り込んで、ルシファー様の元に向かってほしいのです。恐らくそれが限界でしょう』
「もう一つ。お前らを取り込んだらこの迷宮はどうなる?」
『確証はありませんが、恐らくは消滅するのではないかと』
暫く琉偉は考え込んだ後、
「茜さん。俺はこの話を受けようと思う」
「本気で言ってる…ようね。はぁ…分かったわ。弟子が覚悟を決めてるんだもんね。師匠である私がやらないわけにはいかないわ。ニスロクさん、私たちは協力します」
『ありがとうございます。ではいきますね』
琉偉がスキルオーブを使った時の様に、光の粒子が茜に入り込んで行った。
「ようやく怠い話が終わったようだな。琉偉。俺達も怠いから早く始めるぞ」
「ああ」
「…何も変わらないような気がするな。茜さんはどうですか?」
「私も特に変わりはないようね。スキルオーブを使用した時のように頭の中に言葉が浮かび上がってこないし…」
「ベル。さっきニスロクは力の一部を使えるとか言ってたけど、どういった力を使えるんだ?」
『俺も人間の中に入った事なんかないから知るはずねぇだろ?怠いから話しかけんな』
「…だそうです。自分達で確かめるしかなさそうですね」
「そのようね…とりあえずはここから出て地上に戻りましょうか」
琉偉達が思っていた感じとは違う結果にはなったものの、無事に迷宮を攻略し地上に戻る事となる。
この時、琉偉の目標は『迷宮を攻略』から『熾天使セラフィムの討伐』に変わっていた。
人間の身で天使を滅するという事ははっきりと言って、不可能に近い。そもそも、セラフィムは偽りとはいえ神の座に就いているのだ。
ただの人間である琉偉が『神殺し』を出来るかどうかは分からない。
だが、琉偉は自分の人生を狂わせたセラフィムの事を許すつもりはなかった。この先、鬼がでるか蛇が出るか‥‥‥それは琉偉のみが知る所だろう―――
【スライムすら倒せない俺はメンブレ寸前です・・・。】~Fin~
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どうも。ゆりぞうです。
現代ファンタジーで迷宮が出現して――――とかよくありますが、何故迷宮が出現したのか具体的に書いてる小説ってあんまりないですよね?(自分が知らないだけかもですけど)
ですので、自分なりに想像して書いてみました。
長編として書こうとも思いましたが、まだそんな実力が私にはないので、いつか続きを書ければいいな、と思っております。
最近は、ホラー小説にハマっておりまして、そちらの方を書いていこうかなと思ってます。
それでは、ここまでお読み頂きありがとうございます!!
スライムすら倒せない俺はメンブレ寸前です・・・。 ゆりぞう @yurizou
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