第10話

「まったく!酷いことだ!」

と綺麗なソプラノに桜色の髪をしたアリアちゃんが叫ぶ。 

 わたしはどうしたの、と聞く。

「私の選抜した!少数精鋭の部隊がまた全滅だ!美しくも儚い。まさに、桜人がまた桜の木のマリアの許へ還る!」

「アリアちゃん!」

私は焦った。

しかし、アリアちゃんは内線とやらの建物内だけで使える電話で(この部屋には似つかわしくない現代モノ)どこかへ、トゥルルルル。

「何か変わったことは?そう、さっきの、はい、了解です。多分合ってます。こちらで名前をつけて、あとは全体で会議に。はい。」

 大人がどんな対応で、電話を取るか、私にはちっともわからない。同い年の、この、アリアに対しても。

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