第7話
一度去った看護師が近づいてくる。
ちがう、そんな。ひどいことしたけど酷いことはしていない!
そこで思わぬ助け舟が来る。
「おい、ユキユ!今日のカレーうどん、髪についちゃったんじゃねえの?」という、おかしそうに笑うイタズラ好きな、だれだ。しかし、これは助け舟ではない。
「シュシュで結んだから平気。」
少年そっちのけでイタズラ好きへ言葉を返す。
看護師もイタズラ好きを嗜める。
「オレだったら、そんな白髪、染めるかメッシュで際立たせるね、あ、染めてもまた根本から白くなるか!」
プリンじゃなくてコーヒーゼリーだな!!
そこで、私は、私達は!
相手へ影を伸ばして口を塞ぎ。
フラフラした手から炎を出して相手の髪を焼き。
看護師が、少年が、見ていた患者たちが。
「!!!!!」
私達は1秒遅れて、(なにこれ?!)と。
そこで、この地球上で初めて、中二病の幻覚か、幻想が発現した。
キーになるのは、特徴的な少年。黒いまなこは大き過ぎて、しかし成長すれば相手を写して翻弄する。鼻は柔らかく、しかし上を向き、いい具合に鼻腔が見えず、しかしのっぺりとした印象はない。凹凸のある形。筋が通っている。頬は色を失っているが、男性ものの化粧を施せば紅顔は絶対。唇は、その不健康な印象を裏切るようにふっくらとしているが、今はかさつきが目立つ。
要するに。
「薄幸の美少年!!!!!」
誰かが叫ぶ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます