第6話

少年が、看護師と別れて。

私、雪行に気づく。

仕方ない。他の中二病患者も見守ってくる。

私の方から話しかけようか。年上なのだから。先輩!なのだから。

「だいじょうぶだった?その、寒さとか、あのとき」

少年は、中央あたりから不遜に話しかける私に、ハッとして、光に透ける銀と、奇妙で不気味な赤黒い目を見て。口を開ける。

「あのときは、あつかったです」

「!」

あの時の感覚を私も知っている。

「ごめん、とにかく、ああ、もう、ぜんぶ言い訳だ!とにかく、傷がないか見たりしたけど!看護師さんを呼ぶべきだった!ごめん!すみません!」

ほっそりして、陶器よりも硬そうな彼は、少年は。

 私よりずっと正しい。

「オンナの人に、あんなことされたの、初めてです」

少年!!!

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