第6話
少年が、看護師と別れて。
私、雪行に気づく。
仕方ない。他の中二病患者も見守ってくる。
私の方から話しかけようか。年上なのだから。先輩!なのだから。
「だいじょうぶだった?その、寒さとか、あのとき」
少年は、中央あたりから不遜に話しかける私に、ハッとして、光に透ける銀と、奇妙で不気味な赤黒い目を見て。口を開ける。
「あのときは、あつかったです」
「!」
あの時の感覚を私も知っている。
「ごめん、とにかく、ああ、もう、ぜんぶ言い訳だ!とにかく、傷がないか見たりしたけど!看護師さんを呼ぶべきだった!ごめん!すみません!」
ほっそりして、陶器よりも硬そうな彼は、少年は。
私よりずっと正しい。
「オンナの人に、あんなことされたの、初めてです」
少年!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます