序章 2話 緊迫

「スタート!!」

大きな声と共に2台の車は発進した。

助手席に乗る颯太は不安しかなかった

真夜中の山にエンジン音が響き渡る

定峰峠は狭いコーナーが続く

初めて峠を走るには向いていない

だが謙信はここで逃げてはいけないと思ったのか

謙信の目はいつものとは違った

勝ちたいという思いなのか、初めて峠を走るからなのか

はたまた不安なのか

颯太にはわからなかった

「お、おい、すげえ速さだ...」

赤色に輝く相手の車はものすごい勢いで

コーナーを曲がっていった。

「颯太、つかまっとけよ」

と、謙信が言う

「お前まさか!!」

その瞬間、ギャァァァァという

ものすごい音が鳴った

見事に謙信はドリフトをしたのだ

初めて走る峠で、とても綺麗に

見事に曲がれたからか、相手との距離が

縮まった。

「この車、曲がるぞ!」

そう確信した謙信はドリフトを

うまく使い、少しぎこちない動きをしているが

コーナーを曲がっていった

「よく、ついてけるなぁ 謙信」

赤色の車は減速する。謙信は

「しゃあ!もらったぁぁ!」

と言い赤色の車を抜かす

その時、颯太は相手が減速したことに気づく

(あいつ、今減速したよなぁでも何でだ?)

次のコーナーを曲がりストレートでアクセルを

全開で踏む。

ギャギャァ

と、その時謙信の車が跳ねたのだ。

ギャァァァァァ ゴン!

「おい、今擦ったんじゃねえか⁈」

颯太は心配するも、謙信は聞いていない。

(あいつは段差がある事を知っているってことは相当走ってるな)

謙信は別人かのように走る。

「おい!謙信、突っ込みすぎだ!!」


「あ!!」

ギャァァァァァ!!

ハンドルを切るも盛大にスピンしてしまった。

タイヤからは白煙が出ている。

「クッソ!」

謙信は道路を踏みつける。

「おいおい、大丈夫か?」

赤色の車から降りてくる。

「ん? あんたはまさか?」

車から降りてきたのは誰なのか?




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