すり減るのはタイヤだけにしてくれ

ニョッキッキ神威

序章 1話 ライバル

近年、峠を速く走るヤツがイケてるなどの風潮があり、

若者たちは毎晩峠を走るのであった


「買ってやったぜぇ!俺の愛車!!」

謙信は大きな声で叫ぶ。

大学生になった謙信はすぐさま車を買った

V6の320馬力だ

「最近の若者はしょぼい車ばっか買いやがってよォ」

自分がいい車に乗ってるからと浮かれて

今まで気にしていなかった普通の車も

バカにするようになった。

友達の颯太は謙信に

「お前、そんなこと言ってるとばち当たるぞ?」

と言った。

そんな颯太にムッときた謙信は、

「そんなこと言うんだったら"普通"の車との格の違いを見せつけてやるぜ!」

と言った。

実際、速く走るために作られた車と

そうでない車は性能が段違いなのは確かだった

謙信は今日の夜、すぐさま峠で走ることにした

峠はヘアピンカーブと言われるものすごい

角度のカーブやSの形をした道など、

スピードを出して走るような場所ではなかった

「颯太もこいよ!」

と元気に謙信は颯太を誘った。

謙信はまだあんなことになるとは思わなかった



夜、定峰峠に向かった

謙信は初めての峠にワクワクしていた。

峠を登っている途中、猛スピードで下ってくる

車が数台いた。

あまりの迫力に謙信も颯太も驚いていた。

ガードレールギリギリを走っているのを見た

謙信は自分もやってやるという思いが強くなった。

山頂まで着き、走る準備をしていた時

「お前俺とバトルしないか?」

と、誰かが声をかけてきた。

謙信はまだ峠を一度も走ったことは無い

颯太は

「やめとけって、まだ走ったこともねぇ場所だろ?」

と言ったが、謙信はやる気に満ち溢れていた。

相手はどう見てもこの峠を何度も走った事のあるような面構えだった。

「わかったやってやる」

と、謙信は言う。

まだ一回も走ったことのない場所で走るなんて

いくらなんでも無謀すぎた。

だが謙信は自分なら行けると確信していた。

「ルールは簡単だ、この峠を下るだけだ」と

相手は言うが、謙信たちはこいつが誰なのかするわかっていない。

不安そうな顔をする颯太

自信に溢れている謙信

不吉な笑をうかべる対戦相手

2人は車に乗る

「じゃあカウントいくぞ!!」

謙信と対戦相手は構える

「3、2、1、スタート!!」

一斉に謙信たちはアクセルを踏み込んだ!




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