3話 君もハーレム予定候補……?
一先ず、色々と試したい事があるかな。
最初にナビゲーションについて。これは僕のレベルが上がった時だったり、従魔ができた時に頭に響いていたアナウンスと関係してそうだ。名前からして僕の知りたい事を教えてくれるスキルとかかな?
【概ね認識した通りのスキルだと考えて頂けると助かります。詳しく説明した場合、主の問に対して規定レベル四までの情報をもとに返答するスキルがナビゲーションとなります】
ふーん、頭の中で質問をしたら勝手に反応してくれるのか。えーと……聞きたい事があるんだけど規定レベル四って何? 後、問以外には返答をしてくれないの?
【一つ目の問ですが規定レベル四までの情報に回答がございません。そのため明確な答えを出す事ができません。二つ目の問ですが会話をしたいのであればする事も可能です。ですが、あまり私と話をしたとしても楽しめはしないと】
声が可愛いから聞けたらそれでいい。
【……それならば、お好きな時にお声をかけて頂ければ返答致します】
もしかして照れていますか?
明らかに返答に困った場面がありましたよね。もしも僕に対して少しでも好意的な感情があるのであれば教えてください。後、好みの男性像も知りたいです。
【スキルに感情はございません。好みの男性像も感情の観点から答えは出せませんが……強いて言うのであれば主の事は好ましく思っておりますよ。私をスキルとして生かして頂いているのは主だけですので】
ふむふむ、という事はここにもハーレム予定候補の一人がいるという事か。いいね、いいね……機械の女の子とかアブノーマルな感じがするけど悪くは無い。異世界ともなるとホムンクルスとかを作れるだろうし嫁にする方法はある。
【ホムンクルスの制作方法は】
それは今はいらないかな。
でも、体を作れるのなら欲しいかい?
【……主が喜ぶのであれば】
なら、そこも後々、考えよう。
えーと……まぁ、聞きたい事は多くあるけど先にナビゲーションの名前を考えておこうか。人として暮らすのなら名前が無いと困るからね。
【私如きに名前など】
いや、ヴィヴィは僕の嫁の一人だからね。
名前が無いと困るんだから受け取ってよ。
【ヴィ……ヴィ……?】
ナビゲーションって英単語にしたらnavigationでしょ。そこのviのところを重ねてるヴィヴィ。結構、良い名前だと思うんですけど。いや、夜叉丸に関しても自信はあるんだけどね!
【ヴィではなくビにして頂けると助かります。主が名前を呼ぶ際に発音が難しいでしょうから。それにviviは良いですね。イタリア語で生きるという意味がありますから】
お、機械らしくない反応だね。
やっぱり、ビビには感情があるんじゃないか?
【……ありませんよ。ですが、主の傍で学んでいくつもりです。何と言っても主のハーレム予定候補の一人ですので】
おー、いいねいいね!
ビビの体を作る時にはめいいっぱい可愛らしい容姿にしてあげよう。性格も良くて可愛かったら普通の女の子にも劣らないだろうし……いや、ビビの方が確実に良いね!
【……申し訳ありません。返答が浮かびません】
いいんだよ、徐々に覚えていって!
ではでは、ビビに質問をしていきましょうか。まず一つ目にこれらの物をしまえる別の空間が欲しいんだけど作り方が分からない。空間魔法で何とかする事ってできる?
【可能です。制作時には魔力の綿密な操作が必要となりますが私が補助致しますので数分頂ければ作れます】
おー、これは有用なスキルだね!
いや、さすがは僕の嫁と言った方がいいのかな。ビビ愛しているよ。だから、物をしまえる空間を作っておいて欲しい。
【規定レベル一の情報にありましたヒモ男と似たような発言をなさりますね。後、空間の作成に成功しました】
誰がヒモだって言いたかったのに制作が早過ぎてツッコミの暇すら無かった! 早く作って僕に褒められたかったんだね! 本当に可愛いなぁ、ビビは!
【……恐縮です】
それでその空間に物をしまうためには何をすればいいのかな。ビビの言っていた魔力操作をしないとできないんだよね。
【魔力操作は私が自動で行います。主は使いたい魔法のイメージを浮かべてくれるだけで良いです。そのイメージを通して私が魔法を発動させます】
つまり、物をしまうイメージをしろ、と。
それだけで自分のしたい事ができるのなら……本当に画期的だね。一家に一台、いや、最高の嫁としてビビを迎え入れたい男は多いだろう。はっはっは、だが、残念だったな。ビビは既に僕のハーレム候補の一人だから渡す気は無いぞ。
【……他の人に行く気もありません】
くっ……これでビビに顔があったら確実に落ちていたな。だが、ビビはまだスキルでしかない。今のうちに可愛い女の子への耐性をつけて体を作った時には依存しないようにしなければ……と、冗談はここまでにしておいてっと。
「
名前は今、適当に考えた。
それにしては上手い名前になったんじゃないかな。イメージも悪くなかったみたいで目の前にあった物達が一瞬で消えさったし。ただ、説明をしていなかったから夜叉丸は口を大きく開けて驚いているけど。
「どう、僕の魔法だよ」
「サスガハアルジ」
もっと言うなら僕のビビの魔法だけど。
まぁ、ビビは僕のスキルだから僕の魔法で間違いは無いよね。その分、後で褒めてあげないと。ヒモ男を知っているという事は日本の話とかも聞けそうだし。例えば……いや、やめておこう。
【そのようなものでしたら夜叉丸の写真を保存しておきます。必要になった際にはお声をかけて頂ければ見せる事が可能ですよ】
oh……勝手に心を読まれて返答されてしまった。だが、ナイスだ。ビビがそういう事をされて怒らないのであれば必要な時には声をかけよう。あ、できるのならビビが将来、どういう姿になりたいかもイメージとして作っておいて。もしかしたら夜叉丸みたいに見せて欲しくなる時があるかもしれないから。
【……分かりました。作成しておきます。あの……時々にしてくださいね】
うん……? 恥ずかしがっているのか……?
まぁ、いいや。それならそれで可愛らしくて最高としか思えないし。後は……そうだなぁ、覚えたい魔法があるんだけど手に入れる方法を教えて欲しい。
【下級魔法である火、水、土、風であれば勝手ながら主の就寝時に魔力を操作し、獲得する事が可能ですが……それ以外の魔法であれば下級魔法の応用となるので今のところは難しいです】
いや、欲しかったのは火と水だからパーフェクトだよ。できれば魔力量も増やしたいんだけど、よくラノベとかで聞くような魔力を全部、使い切ったら増えるとかはあるのかな。
【あります。就寝時に行っておきますか?】
お願いするよ、魔法をメインで使おうとしているからさ。ガス欠にならないように色々とできそうな事はしておきたい。後、幾つか僕が寝ている間にできそうな事があるのなら同時並行でやっておいて欲しいな。
【分かりました。獲得可能なスキルがあれば就寝時に行っておきます】
ありがと、手に入っていたらもっと褒めてあげるからね。
【……恐縮です】
声の抑揚は無いけど喜んでいるのかな。
時折、即座に返答できていない時があるから自分の感情を理解しようとしているのかもしれない。今の状態でも可愛いから本格的に感情を持ったらどうなってしまうんだって思いがある。これ以上、可愛くなってしまったら確実に押し倒してしまう自信があるね。
まぁ、ビビに体は無いんだけど。
あ、そう言えば吸血鬼の真祖についても聞きたいんだけど教えて貰えるかな。よくよく考えてみれば吸血鬼なのに日に当たっても灰になったりしていないからさ。何か分かるなら教えて欲しい。
【規定レベル四以内に真祖の情報はありません。現在、伝えられる情報として吸血鬼特有のスキル『日光弱体』が無い事から、主は日光や光、聖、回復魔法に対して耐性があると考えられます】
そこは……何とも言えないなぁ。
もとが人間だったから無いとかなのかな。だとしたら、ありがたい限りなんだけど。……まぁ、いいか。これで方向性は決まったな。
「僕は強くなる」
ビビの体を作るため、夜叉丸を普通の女の子にするため……そして未だ出会えていないハーレム予定候補達を迎えに行くため。さてと、頑張るとしますか。
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