第75話 ウィルス

075 ウィルス


「なんでも、地球という場所では、コンピュータというシステムが存在し全てがその支配を受けているというではないか」と師匠。


それは、マシンであり、システムではありません。

「そこで、お前にあれを授けよう」

!とは」

「システム操作権限をもった物、アドミラルツェッペリンだ」

「わざと、間違ってますよね」と影野。

「これを言えば、二本人は笑うときいたような」

「わからんでしょ」そして日本人も間違っている。


「簡単にいうと、クッキーを食べるハッカーというものだ」

「アドミニストレータと関係ないのでは、クッキーではなくクラッカーの事ですか?」

「まあ、儂も詳しくは知らんがな」

「知らんのかい!」


「詳しくは、エリーズに聞いてくれ」

丸投げ来た!


「そうだ、確か剣を折られたのだな、あれをやろう、あれはたやすく折れんぞ」

そして、指さしたのは、客間の壁に埋め込まれたような大刀であった。

「あんなものありましたか」

「ああ、封印の間に封じておったのだが、息苦しいとか夜な夜な枕元に立たれてな。仕方なく、出してやったのだ。あれは強いぞ。辺り一面の生き物の血を吸い込むのだ、血を吸った分だけ強くなるという素敵仕様なのだ、確か邪龍丸だったかの」と師匠。

エリーズが耳元でなにか囁く。

「おおそうじゃ、血を吸うので、改造されたのであった。しかし、宿った九頭龍が魔法で、面制圧攻撃を仕掛けて、周囲一帯を完全に破壊できるという素敵仕様、そう、浪漫武器なのだ」


「絶対いりません、ていうか、邪魔だから処理したいだけでしょ」

「そうか、やっと出て行ってくれるとおもったのだが」アルテュール(師匠の名)はしょんぼりする。


「だが、強さはすごいぞ!」

「だから、要らんゆうてるやろ!」


・・・・・

「しかし、お前、金とか欲しかったのか、なぜ先に言わんのじゃ。結構あったのにな」

「え?」

「我らは、4か国は滅ぼしたんぞ、勿論財宝もいただいたに決まってるだろ、だが使いどころがあまりなくてな、せっかくありったけ取ってきたのにな」

「ええ!」


「金はもう要らんだろうから、ダイヤモンドでも持っていったらどうだ。プレゼントすれば女にもてるぞ」と師匠。


「それよりもを」すぐに欲しいので言おうしたが遮られる。

「ちょっと待てといってるだろう、の調整に10日間はいる」と師匠。


こうして、10日間という間、俺は師匠と馬鹿話ばかりして、爆弾の実験などを行っていた。

「あれがないな」

又も『あれ』が登場してしまう。

「あれとはなんのことなのですか」

「ああ、がとても好きな奴だ、なんでも空気を完全燃焼させてしまう火の玉のような魔法じゃ」

「それは、確か使ったらダメな奴なんですよ、何とか条約でも規制されていると思います」

明らかに、燃料気化爆弾いまはサーモバリック爆弾のこと言い表しているような気がする。


「そうなのか、あいつはとにかく何でも燃やしていたからな、そういえば、魔石で発動するアレを作って、置いていったような」

「そんな危険な爆弾が!」

「プレゼントしてやろう」

「そんなものどこで使うんですか」

「お前こそMk84爆弾をどこで使ってたんだ」

「日本、東京ですね」

「そうだろ、二本はそんな場所なのだろう、もっていけもっていけ、かさばらんからな」

そうして、小さなクリスタルのような玉を何個も貰うことになる。


・・・・

十日後、ついに奥の部屋からついにが出てくる。

それは、女優の白川安奈にそっくりの女性だった。

両目が大きく美しい、それに左右完璧に近いシンメトリー。白い肌。まさにアイドル。

「ええと、こここんにちは」

俺がどもるほどの美しさだった。

でよかったかしら」とエリーズ様。

俺の一押しの女優だった。

ここまで完璧だと、もはや声も出ない。


「これくらいって、まさに神の美しさでは」

「そう、良かった、これの扱いはあなたに任せます。それと、装置一式をあなたのインベントリに入れなさい。」とエリーズ様。美しい女性なのだが、表情はあまり変わらない。


「ああ、お前もついにあっち側の人間になりそうな予感しかないな」と師匠。

そうだ、彼女となら・・・。

「今、彼女とならとか考えてるだろう」

「!」


「そういっても旅だって言ったんだよな」

「真央さま」そういって、腕を取りにくる、安奈さんそっくりの美女。


彼女らは、決して獲物を逃がさない。

そう、決して。


そして、彼女こそが、恐るべき秘密兵器なのだ。

説明によればあらゆるシステムに侵入し、支配するという。

完全に違法ハッカーやないか!


しかし、地球で生きて行くには、このような人材は必要だった。

あらゆるものをハッキングし、ウィルスを仕込み、ばら撒く。

そう言う意味でも、彼女は地球に侵入するウィルスそのものである。


人類は今、未知のウィルスの脅威にさらされようとしているのだ。

彼女を止めることはできないだろう。人間、特に、今の人間では。


「彼女は、情報処理端末ではあるもののPSでもあるの。あれも持って行きなさい」

彼女の指さす方向には、明らかに不穏な大型機械が立っている。そもそもPSって何。

プレイステーション?


「あれって、アニメで見たことあるやつじゃないですか。」

そう!形は、アニメで見た奴にそっくりだ。

「大丈夫、あれは機動魔導甲冑、そのアニメとやらとは一切関係ないわ」

「でも、頭部に乗り込むんですよね」

「違うわ、完全鎧を被るように入ることになるの、モビル〇レーシングシステムで動くのよ、決してギルガメ〇のスコープドッ〇ではないから安心して」

「・・・・」二の句が継げない。


いやいや、著作権を侵害していないかとても心配になります。

しかも、なぜ、何台もあるんですか。


「入るでしょう」


確かに入るのだが、決して、そんな問題ではないに違いない。








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