第3話
目覚ましがけたましく鳴りひびいてみみをつんざく。
けたましいとやかましいってにてるね。
カーテンを開けると、またカラスがこちらを見つけて首をかしげていた。
目覚まし時計を投げつけてみてもガラスにひびが入っただけでカラスはまだこっちを見つめ続けていたので、カーテンを閉めて、
がびょうでとめて開かないようにしてみた。スリッパをはいて台所まで歩いていくと、足が痛い。
スリッパをぬいでみると、スリッパのうらにハリネズミみたいに皿のはへんがささっていた。
スリッパを投げすてて、目玉焼きを焼いた。
今日は運動会だから、おべんとう用と、朝ごはん用で二つ。
からが入ってした打ちした。うまく音がならなかった。
今度はちゃんとソースをかけて、ニュースをつける。
朝が来たから光はあるかな。
ニュースでは虐待にあった子供が親を殺して警察にひょうしょうされたと報じていた。
子どもは満面の笑みで母親の生首をかかげていて、首から警察からもらった金メダルをさげていた。
キャスターもうれしそうだった。
「よくやった」
「勇気ある行動だった」
って、くちぐちに。
勇気ある行動をいつかしてみたい。
そろそろ出かけよう、歯をみがいて、かみを結ぼうとしたら短すぎて結べなかった。
かんそうでくちびるが切れていた。
こういう時はどうしたらいいんだっけ。
だれかにきこうかな、でもお母さんはもういないし、お母さんが居ても、
・・・居ても、なぁ。
外に出ると、少し雪がふっていた。
そうだ、今日はより道していこう。
雪だるまを作ってみよう、道のはしっこに作って、
「まぁ、なんてすてきな雪だるま!!どこの子が作ったの?」
と聞かれたら、私、と言ってやるのだ。
毛糸の帽子、毛糸の手袋、耳あてに真っ赤なマフラー。特別に私のを分けてあげるんだ、私はとってもやさしいから。
そうと決まったら、早く出よう。
物かげにハトのほねがねていた。
カラスがこっちを見て首をかしげるのでハトのほねを投げつける。
カラスは大きな羽を広げて飛び去る、わたしの飛べない四かいの高さを、ちゅうちょせずに飛び去ってゆく。
あの羽をもらえば、私も飛べるだろうか。
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