三節 もしものとき~逃げ場の無いクレメンス・コールドベイ~
七月一日。
わたし、クレメンスはコニリエット
わたしは
四年
凍傷になる前のように、
母方はシェッド
シェッド王国は
母が
「
「メンブロの
「
メンブロ家の
四年前にこちらにお
き、
この
わたしはメンブロ家の
四年前。たまたま学校に
凍傷の
それがどうして、ルーナ温室学校になんかに通学出来たか。
それは、
学校や帝国ではなく、蒸気財閥のメンブロ家からの申し出だった。一つの
「もしものときはクレメンス・コールドベイが蒸気財閥
そして、「もしものとき」など
「もしものときが来た」と
わたしは復学せずに、
「六年間、お嬢様と
「それって、フィオーレ女学校ですか?」
「まあ、
「いいえ。
まだ、進学先は
まだ、
「決まってるんですよね?
「クレメンス、そんな
母も
「この子は凍傷治療
とても蒸気財閥のお嬢様の
「では、『もしものとき』が来ても、
そうなれば、奨学生としてルーナ温室学校卒業した貴方には
「それって、普通の学校に復学出来なくなるってことですか?」
ルークさんはわたしを
「そう
あの温室学校にはわたしと同じように奨学生がいた。おそらく、わたしのような
ルークさんは玄関ドアを開ける
「貴方のお母様も亡命
貴方のお母様がお父様と出会ったのは、こんな町ではありません。
あの学校なのです」
ルークさんが三歩ほど
「アンヌ!
メンブロ家
あの学校からの
「こんにちは、コールドベイ」
「こんにちは、ルーク。
父の
「クレメは国立学校へ復学予定なのよ。
やっと、わたしたちの子が普通の子になれるの」
母はわたしを
でも、わたしは泣いていない。
ただ、この先、どうなるか。
でも、「もしものとき」からは
それだけはわかっている。
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