第19話 四大武官筆頭
王城の中を突っ走っている、俺――翔風はどことなく違和感を覚えていた
――なんで、衛兵が一人もいないんだ?
「おかしいな」
ハボックさんも同じ違和感を覚えているようだった
「とりあえず、ここで別れよう」
「え?それは下策では?」
「いや、王城には四大武官がいる、その一人は遠隔攻撃に長けている。私と彩でそいつを探しにいく」
城に関して一番詳しいのは紛れもなくハボックさんだと思う、だから、従っておくべきなので
「わかりました、えーっと、え?二人ですか?」
「あぁ、二人で十分だ」
「任せて、ショウ」
「翔風、設計図はこれだ」
設計図を俺に投げて、そのまま通路へ消えていった。
それには俺らの進む道のりが書かれていた
「僕が先行って見てくるよ」
「たのんだ」
――そういえば、雰囲気変わったな、隠夕
そういうと隠夕は『隠密』を発動させ、先に進んでいった
========
「彩、気をつけろよ、魔法で罠を仕掛けられているかもしれないからな」
「はい」
私とハボックさんはショウたちとは逆に地下へ向かっていた。
どんどん地下に潜っていくのだが、突然足元が光る。
「下がれ!」
私は後ろに飛ぶように下がる。私の立っていたあたりの壁には刃できられたような跡があった
「早速、引っかかったか」
「ありがとうございます、助かりました」
多分魔法は『
「ハボックさんはどうやって見抜いているんですか?」
「あぁ、魔力察知だな、自分の目にバフをかける感じで魔法を使うんだ。無属性だからだれでも使える」
そう言って、彼女は私に使い方を教えてくれた、基礎はできていたのですぐに習得できた。
習得してからは難なく通り抜けれたが、何かの一本の通路までくると、何体かのゴーレムと何人かの明らかに強そうな衛兵がうろついていた。
罠の数もけた違いで、発動したら味方も一緒に死んでしまうだろう。
「行くぞ」
「はい」
「『身体強化≪ブースト≫』」
私は剣を抜き取り、ゴーレムに走りかかる。ハボックさんは衛兵に切りかかる。
「『急所突き』!」
発動すると同時にまず一体のゴーレムが粉になって消える
続けて、二体、三体と倒していき、扉の前でハボックさんと合流した。
ハボックさんは血まみれになっていて、後ろを振り返る気にはなれなかった
――あぁ、これが戦場か……
彼女は扉に手をくっつけた、次の瞬間、扉が灰になって消えた。
「あれ?もう来たの?アリスちゃん」
「お前の気色悪い罠はすべて見通しているからな」
そこの住人はそれに驚いておらず、平然とこちらに話しかけてきた
「あぁ、君は剣波彩ちゃんだっけ、気をつけなよ」
彼女は嗜虐的な目でこっちをむいて、話しかけてくる、素のすべてが狂気に満ちていた。
「彼女、何の罪もない部下を殺しているから」
「それはお前がやったやつだろ!」
ハボックさんは急に怒りに呑まれたように彼女に飛び出していった
――ハボックさんが部下を……殺した?
「『炎鞭』」
短刀のさきから炎の鞭がでて、相手の首元に迫っていた。
しかし、相手も四大武官、一瞬ニヤリと笑い、氷の壁で防いだ
「『身体強化(強)』」
私もバフをありたっけ使い、彼女に近付こうとするが
「『氷槍』」
沢山の氷の槍が正面から飛んできて、防御で精一杯になり近づけない。
「『風刃』」
続けて放たれる魔法に、ハボックさんも一度下がる
「あれぇ?アリスちゃん、弱くなったぁ?まぁ、元四大武官筆頭も貧民街に居ればそうなるかぁ~、あれ?そう言えば君の家族ってどうなったっけ」
彼女があおるかのようにそう言うと、ハボックさんの目つきが変わった
「お前だけは絶対に殺す」
「やってみなよ、四大武官筆頭の私にはどうせ届かないんだから」
「『断罪』」
彼女がスキルを発動させた瞬間、場の空気が変わった。
彼女の殺気と威圧感に立っていられなくなるが、相手は平然と立っている
「へー、初めて見るスキルだね」
「今までの悪行、悔いて死よりも重き罰を受けよ」
「おぉ、怖い、じゃあ私も『
彼女の周りには色々な魔法が浮かんでいた
二人のレベルの差に私はただ腰を抜かして見ていることしか出来なかった。
「ちょっとは強くなったようだな」
「そっちこそそんなスキル隠しちゃって」
二人はニヤりと笑った瞬間、ちょうど真ん中で大きな爆発が起きた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます