第16話 戦闘開始

「別に殺さなくていい、行動不能にすればいいんだ」


 俺がそういうとついてきているクラスメイト達は返事をする。クラスの約三分の一である15人とその倍ほどの貧民街の人々を引き連れていた。


「でも、自分の命を最優先でな、、」


 俺はそう言いながら、少しペースを上げる。横の通りからは少しの間金属同士のぶつかる音のした後、大きな歓声が上がっている。影山とハボックさんの部隊だが、一戦交わったのだろう。

負けてねぇだろうなぁ

ハボックさんと影山がいるから負けることはないと思うが、心配になってしまう。


「おい!夏海、いよいよ来たぞ」


「そうか、、、魔法部隊頼む!」


「「「了解!」」」


 少し自分の

 進行方向側に相手の軍隊が見えた。相手も気付いたようで、こちらに向かって駆けだしてくる。魔法の俺が合図をすると魔法系のスキルを持った十数人はその場に立ち止まり詠唱を始める。残りの奴らは相手の攻勢を防ごうとする体制に入る。

 相手がもと居た地点からこちらまで半分を過ぎたとき


雷鎖ライトニングチェーン

氷鎖アイスチェーン


 後方からの魔法が頭上を放物線を描いて通り抜ける。そして相手に雷と氷でできた鎖が絡まる。相手は動こうとしてバランスを崩してしまい、鎧と鎧の間で電気が流れて、どんどん隊列が崩れていく。

 そこに俺らは突撃をする。もう相手は完全に戦意を喪失していて、大半が武器を捨てて投降をした、それを見て、残りの奴らも武器を捨てた。

 

 とりあえず、俺らの最初の戦いは特に苦戦することなく終わった。こちらは死傷者なし、相手側も死者はいなかったようでとりあえず防具をとり、

 その頃ちょうど隣での戦いでこっち陣営が勝ったことを知らされた、幸い、こちら側の死者はおらず、被害もそこまでなかったようだ。あとは彩の方だが、今までこちら側に集中していて気付かなかったが戦っている音がする。

 まぁ、あいつのことだ、負けることはないだろう。


==========


「身体強化」


 私は相手の敵陣に一人突っ込んでいる、というか相手の戦略で分断されていた。


 最初に交戦した時、相手の隊長は相当頭の切れるやつらしく、私がリーダーだと一瞬で見破った。そうして今に至るわけで、、

 とりあえず隊長を倒すために私は突撃している、クラスメイト達もうまくやっているようで、私は自分の方だけに集中できる。

 そうして相手方を気絶や戦闘不能にし、敵の隊長のところまで詰め寄る。急に詰め寄られた相手側の隊長は降伏し、それに気付いた兵士たちも降伏した。

 

 クラスメイトや貧民街の人々に負傷者が数名いたようで、とりあえず貧民街のところで『治癒ヒール』を受けてきてもらおう。


ここで一つの問題ができた


「ん-、この投降兵たちどうしよ」


==========


「お、三部隊とも勝ったらしいぞ」


「本当、よかったぁ」


 俺らは治療を受けに戻ってきた負傷兵たちや伝令から知らされた吉報に、安心したのもつかの間、伝えられた一つの問題に頭を悩まされていた。

 三つの部隊から伝えられた同じ内容の問題、それは投降兵どうするか問題。

 幸い若花はデバフをかけることができるが、全員となると約200名。その量にかけるとなると相当効果は薄いものになるし、こちらにいる戦闘員の人数は四分の一程度、貧民街の非戦闘員の子供や女性などが人質に取られたら、このクーデター自体失敗につながりかねないしな。

 かといって、そのままついていかせるとそれもそれで危ないしな、、


「どうすっかなぁ、、」


「だねぇ、、」


 二人して頭を抱えている


「危ない!」


 後ろからかけられた声により後ろの気配を感じ取り、若花とともにかがみこむ。


「チッ、バレたか」


 なんだ、暗殺者か?いやとりあえずこいつらをどうにかしよう。

 

 今、相手は暗殺者が二人。ステータスはすべて俺の半分ほどか、あとは装備品によるデバフ無効か、、経験と人数の差があるが、若草を守りつつこいつらを倒せるか?

 、、、いや、無理だな。とりあえず若草には余裕があるうちに退避してもらおう。


「若草、今のうちに逃げれるか?」


「え、私も戦うよ」


「いや、ここは俺にやらせてくれ」


「じゃあ、せめて『身体強化』」


「ありがとう」


 そういうと、若草は走っていった。それを追いかけようと一人が飛び出してきたので俺は即座に腰の短剣を抜き取り、止めにかかる。


「お前を先に殺さなければいけないという事か」


「やってみろよ」


 虚勢でもいい、自分を信じろ。

 これは相手への挑発としての虚勢ではなく、自分に対する虚勢だ。


 暗殺者の二人のスキルは『気配消去』別に『隠密』みたいに見えなくなるわけでなくただ、気配が消えるだけのスキルだが、それによって気付かぬうちに背後を取られていた。

 

 相手のスキルやステータスを『鑑定』してるうちに二人が左右から攻勢を取って脇腹を目掛けて切りかかってきたのだが、先ほど若草にかけてもらった『身体強化ブースト』の効果が相当高く、自分の体が軽く感じ、相手の動きに対応できる。

 俺は戦えているという感覚と、若草のバフのありがたさをしみじみと感じながら、二人の攻撃を捌く。

 

 そこから2分ほど相手の連携攻撃をいなしながら、反撃を入れていたのだが、頭の中で違和感を感じていた。


〜〜〜〜〜〜〜〜


お久しぶり、SINGO改めて薄明黎です。

休載期間を早めに終わらして、続きを公開しています。

 で、未だ未定なことなんですが、王国乗っ取り編が終わったら、一度完結として。この主な部分はそのままに、リメイク+続きみたいな感じで改めて投稿しようかな、と


 決定したら、改めて報告させていただきます。


 これからもこの作品をよろしくお願いします









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る