第13話 問い
「・・・だから、この日かな」
「そうだな」
俺の部屋に集まった五人でクーデター決行の日を決めた。
あとは必要な武器などを確認する。
ちなみに、クーデターのことは、そろそろクラスメイトに伝えなければならないので、とりあえず、口が軽い奴以外には明日、明後日あたり伝えることになった。
多分知ってる人が周りにいると分かると話のネタになるのでバレる確率が上がるが、
一人一人に伝えればその確率が減るのではないかという考えのもと、一人一人に伝えることにした。
だいたいのことがが決まって、みんなの力が少し抜けてきたころ影山がおもむろに口を開いた
「ちょっと、話しとかないといけないことがあるんだけど、話してもいいかな?」
彼の声色はいつもに比べ重いものになっており、俺らの間に少しの緊張が走った。
影山はその様子に気付き、話の本題に入った。
「僕たちのための戦いに貧民街の人たちを巻き込むわけだけど、貧民街の人たちの生活を崩す覚悟はある?」
俺らの間に沈黙が走る、そんなこと一度も考えてこなかった。
「貧民街の人たちは皆活き活きと生活していたよ、その生活を壊すかもしれないんだよ。彼らの背負うリスクは大きいんだよ。」
確かにそうだ、今までどうやって国を乗っ取るか、ということばかり考えていたけど、貧民街の人たちのことは考えてこなかった、いや、考える暇がなかった。
だからこそ、今のうちに考えるべきなのだろう、、
そこから数分沈黙の時間があり、俺もその間に考えたのだが、
やはり、クーデターが成功しても、彼ら側へのメリットは多くないだろう。本当に、ただ俺らのクーデターに巻き込んで、小さなメリットのためにリスクと多大な負担を背負うことになるだろう。
そんななか、ショウが沈黙を破った
「俺も貧民街の人々の生活は壊したくないよ。でもこれは俺らのための戦いだ、他人への迷惑はかかって当然。何より、成功させればいいんだろ?」
ショウの答えは答えになっていなかったかもしれないが、妙に説得力があった。
彩や若花も同感なんだろう
「そうだよね」
皆の様子を確認した影山は安心したような表情になった。
俺も大事なことに気が付き口を開いた
「ちょっと話がそれるけど、、、人を殺す覚悟は出来ているか?」
また沈黙が走る、特にショウと彩の雰囲気が重かった。
「そりゃそういう反応になるよな、、、」
この質問はすぐに答えが出るようなものではないだろう。逆に俺としては答えは決行前日に答えを聞こうと思っている。
それぐらい大事なことなのだ。
結局、その日は答えが出ることはなかった。
第二章 歩みだし ~完結~
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