第8話 レベル上げ?

『エドワード・アーサー   聖騎士  Lv.30

 【称号】

  四大武官 


 【スキル】

 強打  使用MP 30  Lv.5

 攻撃時、相手に与えるダメージが強くなる。


 HP 720/720  MP 480/480

 PW 640  DF 630            』


 こいつはちょっとヤバいかもな、、、


 俺らは訓練場に来ていた、

 そこで教官の説明を聞いていたのだが、明らかに強い。


 レベル差があるから当然と言えば当然なのだが、『勇者』であるショウよりステータスが高い。


 こいつはこの国で最も強いらしく、このままでは勝つのは難しいだろう。

 


 というか、このレベルの奴があと四人いるのかよ、、


 だから四組に分かれたのか、と理解しつつクーデターの難しさを悟った。


 ―――――――――――――


「では、訓練を始める!まずは勇者、お前の実力を見せてくれ。」


 説明が終わり、教官はショウに模擬剣を渡し、彼自身も模擬剣を握っていた。


 よーい、はじめ!


 合図でショウは教官に剣を振る、剣道を少しやっていたので隙はない、

 それを教官は受け止め、お互いに何度か剣をぶつけ合う、


 最初のほうは互角に見えたが、時間が経つにつれ、ショウの表情と戦況が厳しくなっていく。


 ショウがされたまま3分が経過したころ、ショウの首に模擬剣がくっついた。


「なかなかやるな、ここまでもったのはあいつら以外だと初めてじゃないか?」


 教官は剣をおろし、ショウに話しかけた。


「ありがとうございます、でもまだまだです。」

 ショウもそれにこたえる、表情は険しいままだ。


 多分、クーデターの時は彼を倒さなければならないことをショウは理解したのだろう。


 ――――――――


「これで以上だな」


 ショウの後は誰も手も足も出ず、そんなに時間はかからずに終わった。

 

 まぁ、俺が一番早くにやられたわけで、、、


 その後はめちゃくちゃ剣筋を叩き込まれ、ヘロヘロになって部屋へと戻った。


 ――――――――――


「そういえば、王って俺らのスキル知ってるのか?」

 彩が机に突っ伏しながら聞く、多分彩もボコボコにされたのだろう。


 俺らはいま俺の部屋の中に居る、

 俺の部屋が居間から一番遠いので、作戦会議はここですることに決まったらしい。


「うーん、あの時は勇者とヒーラーと大賢者だけしかプレート提出してないな」


「じゃあ、あっちに『鑑定』スキル持ちがいない限り分からないってことか」


「でも職業は聞かれたよ?」


「それに関してだけど、今まであったことあるやつに『鑑定』してみたけど、持ってる奴はいなかったな」


「じゃあ、僕のスキルって結構強い?」

 影山がちょっと嬉しそうな声で言った。


「多分、初見殺し以上に強いと思う。」

 改めて、『隠密』はバレなければめっちゃ強いよな。


 そういえば、俺影山のステータスしらねぇ、

 そう思い、ショウたちと話している影山に向かって『鑑定』を使う。


『 影山 隠夕  暗殺者  Lv.1


 【スキル】

 隠密  使用MP  3(毎秒) Lv.1

 自分の姿を消すことができる、体温や気配、自分から発する音は消せない。


 付与魔法(物体) 使用MP 10~   Lv.1

 武器や防具にバフ、デバフをかけることができる。

 生物には不可能



 HP 250/250  MP 250/250

 PW 180  DF 180                         』


 ん?『付与魔法』?

 なんか、万能すぎんか?


「なぁ影山、勝手に『鑑定』させてもらったんだが付与魔法ってなんだ?」


「やったことないからわからない」


 付与魔法あるのになんでこいつ前衛組の訓練してたんだ?と思ったが王側は俺らの職業は知っててもスキルは知らないからだと分かった。


「ちょっとやってみるか」

 ショウが言った


「うん」


 そういうと、彼は筆箱からプラスチックの定規を取り出しじっと見た、

 その後目をつむって、定規を握る手に力が入った、そして目を開き


「これでどうかな?重量増加」


 と定規を差し出した、それをショウが受け取る


「うぉ!結構重いな、」


 定規をみんな交代でもってみる


『鑑定』の方でもしっかり『重量増加(小)』と表示されていた。


「ほかには、できることないの?」

 彩が俺らが多分一番気になっていたであろうことを聞いてくれた。


「えっと、攻撃力上昇と硬化、あとは、軽量化かな」

 影山は目をつむって答える、スキルを使うときは目をつむらなければならないのだろう。


 このスキルのおかげで少しは戦いやすくなるだろう。


 ここで俺は一つ気になっていたことを言ってみる

「このスキル何回か使ってくれないか?いま」


「え?いま?」

 影山は驚いた目をしていた。俺はなぜ驚いているのかが分からなかった


「アオ、隠夕はレベルのこと知らないんだぞ」

 ショウはすぐに俺の意図に気付き、影山に説明する。



 そうして説明が終わり

「じゃあ、やってみるよ」


 ――――――――


「ふぅ、MPなくなりそう。」

 俺らの筆箱の中身がすべてバフを受けた頃、影山のMPが限界に近付いていた。

 

 結局レベルは上がらなかった。


 ただ、目をつむらずに付与できるようになったのが唯一の救いだろう。


「すまんな、結局レベルも上がらなかったみたいだし」

 俺は申し訳ない気持ちになった。


「大丈夫、逆に目をつぶらなくてもできるようになれたから」


 影山はあまり気にした様子ではなかったのだが、その態度に逆に申し訳なさが増幅させられた。


「おつかれ、MPって自然と回復するんだっけ?」


 彩はそういいながら自分のタオルを、汗だくになっている影山に差し出す、

 影山はそれを顔を赤くしながら受け取らず、ポケットからハンカチを出して汗を拭いた。



 


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