第1話 ステータス
重そうな扉が静かに開く
「よく来てくれた、かしこまらんでもよい。」
そこには厳正そうな王様が玉座に座っていた。
―――――――――
いろいろな儀式的なことをした後、王様は
「我らは、じきに復活する魔王を倒してもらうためにお主らを召喚した。」
俺はどういうことか分からなかったが、それよりも速く動き出した奴がいた。
「魔王?どういうことですか?俺らは戦ったことすらありません。それなのに俺らは呼ばれたのですか?無駄死にしろとでも言っているのですか!」
ショウが王様に大声で言い放った。
それを王様はなだめるような声で返す
「そういうわけではない、異世界から来たものはステータスがこちらの世界の者よりステータスが高く優秀なスキルがつくのだ。一度目の前に画面を出す気持ちで『ステータス』と言ってみよ。」
俺らはほぼ同時多発的に「ステータス」と言った。
すると目の前に
『 浪打 蒼 交渉人
Lv.1 次のレベルまであと500XP《経験値》
【スキル】
交渉術 Lv.1
相手に要求を通そうとするときに成功率が表示される、また交渉成功率が5%UP
する
鑑定 Lv.1
相手の情報を表示する
??? Lv.1
??????????????
HP《ヒットポイント》 100/100 MP《マジックポイント》 50/50
PW《パワー》 80 DF《ディフェンス》 70 』
どういうことなんだ?というか『???』ってなんだよ。
とりあえずステータスは他人には見えないらしい。
「ショウ、そっちはどうだった?」
「この数字がどんなもんかわからなくてな」
そらそうだろ、他人の見れないんだし。
他の人もチェックが終わったのかみんながざわつき始める。
「そういえばショウは職業なんだったんだ?」
「あぁ、俺は『勇者』だったよ。」
「・・・えっ、まじで?まぁらしいちゃあらしいか。」
そうだ、ショウはいつも男女陰陽分け隔てなく接していてクラスの中心だったな。
正義感もあって、こいつが『勇者』だと言われればみんなが納得するだろう。
「アオはどうだったんだよ?俺だけに聞くとかはなしだからな。」
「俺は『交渉人』だったよ、多分戦えねぇ。」
「そうか、HPとかはどうだった?」
「えーっと、HPが100でMPが50PWあとは、、」
「ん?俺がおかしいのか?」
「どうした?」
「いや、俺のほうはHP600、MPが400、あとはPWが500でDFが450」
「はぁ?」
なんか差がすごいんだが、これ他の奴らもこうだったらやってらんないんだけど。
「落ち着いたようだな、ではカードを配るのでこれに自分の血をつけてくれ、『ステータスプレート』といってステータスが表示されるのだ。」
皆の手元にカードが行き渡る。そして針で指先を少し刺し、血をカードに垂らした。
そこには俺のステータスが浮かび上がってきた。
しかし『???』は表示されない。あとは書いてないものと言ったら次のレベルまでの必要経験値量とスキルの説明だ。
「とりあえず、今日は休んでくれ、心も疲れているだろう。」
そう言われ俺らは王の間から出てメイド的な人に連れられ別の屋敷へ行く。
俺らには専用の屋敷があり、一人一部屋のようだ。少し部屋の中を見た後することもなくなったので、皆が集まっている広間へ行く
「お前、俺より高いじゃん。」「お前の職業強そうじゃね?」という会話が勇者であるショウの周りで行われていた。
俺はそれをソファーに腰掛けながら眺める。
目の前に少女が座った。
「おう、アオはいつも通り落ち着いてるな。」
こいつは
一部の女子から憧れられるほど才色兼備だった。
容姿も結構整っているが男子に対し当たりが強く、告白されることはないようだ。
男子で普通に話せるのは俺とショウぐらいだな。
「それはお前もだろ、というかお前、ステータスはどうだったんだ?」
「あぁ、私のはこれだ」
彼女はステータスプレートを差し出した
「あ、俺のも、」
俺もプレートを差し出す。
『 剣波 彩 剣士 Lv.1
【スキル】
弱点突き Lv.1
身体強化 Lv.1
HP 350 MP 200
PW 300 DF 200 』
「え?これが普通なのか?」
俺は自分のと比べて圧倒的に高いステータスを見てそう聞かざるおえなかった。
「わからないが、私はほかの人のもある程度見せてもらったがほとんどこんな感じだったぞ。」
「マジかよ、俺のステータス、、低すぎ。」
「まぁ、別にそんな悲観的になる必要はないだろ。」
「そう、、だな、、、」
そうはいったものの自分の能力に自信がなくなった。
なんだよ『交渉人』って、絶対戦えねぇじゃん。
――――――――――――――
俺らは豪華な夕食を食べ、みんな疲れたようですぐに部屋へ戻り、寝てしまった。
俺は寝れずに部屋から庭を見ていた、裕福な国なのか手入れが行き届いていて、月明かりに照らされとてもきれいだった。
その時部屋に
『コンコン』
とノック音が響いた。俺は一瞬女子かと期待した。
「アオも寝れてねぇよな。」
「あぁ、お前か。」
目の前には親友の姿があった。期待が一瞬で砕かれたような気分になった。
「ちょっと話すがてら、庭でも歩いてみるか」
「あぁ」
そういうと、男二人で庭へと出ていった。
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