暴走
"こんな世界、間違ってるだろ?自分の思い通りに行かない世界は書き換えれば良い。"
とアロガントの中で誰かが囁いた。
(どうやって?どうしたら俺の理想は叶う?
コイツを、叩き潰してあの女達を手に入れる為には何をすれば良いだ!?)
アロガントの中で急激に欲望が高まっていく。
(そうだ!!!全部塗り替える。全部変えれば良いんだ!!)
急に響く謎の音と共に、空に文字が現れた。
"理想世界を、ここに顕現させる"
キィィィィン!!!!
凄まじい威圧感と金の光がアロガントから溢れ出した。
それと同時にまるで世界を塗り替えるように魔力が広がる。
『オワリダ!!!!
コレデキサマらはオレのオモイノママだ!!!マズハキサマだ!"そこで動くな"!!』
こちらを指差して叫ぶアロガント。
なんと、アロガントに動くなと言われたと同時に身動きが全く出来なくなってしまった。
『な、動けない!?』
『フハハハ!!ウゴケマイ!!ソォォォオラ!!!!!』
ドゴォォォォォン!
アロガントの無造作に振った拳に当てられて吹き飛ばされた!
防御の姿勢が取れなかったせいで、まともに受けたため吹き飛ばされた。
(う、受け身はとれたし、当たった直後に硬直が解けたおかげで背中に糸でクッションを作れたおかげでなんとか意識はある…)
なんとか起き上がると、そこにルキナとノワルが駆け寄ってきた。
『…タカシ!大丈夫!?』
『今のは明らかにおかしいわ。あなた、全く避けようとしてなかった。いえ出来なかった?
まさか…強制的に動きを止められた?
と…タカシ、立てる?とりあえず、移動しましょう。』
『ゴフ!ぐ!。あ、ああ。何とかな。』
追撃を受けるのを避ける為に
付近の建物の瓦礫に身を隠すことにした。
『さっきの攻撃だけど、動くなって言われた瞬間に身動きがとれなくなった。』
先程起こった事を2人に告げる。
『…なるほど。…さっきのは命令形の束縛魔法ってことかな。…そんなのが使えるなら何で最初から使わないのかな。』
ルキナは不思議そうに告げると
『たしかにそうね…急に力が増したというか、覚醒したみたいな事になってるから、それで使える様になったとかでしょうね。』
『そんなところだろうな。それにあんなに仲間取り込んで養分にしてるんだ。そんな反則げ使えてもおかしくはないだろうな。』
先ほどの光景を思い出すと怒りが込み上げてくる。
仲間というか部下を平気で食い殺すのはまともじゃない。
『あと、変な空間になってるし、私達で何とかするしか無いわ。タカシじゃ無理っぽいし。』
ノワルは武器を取り出しながらルキナに言う。
『…それが早そうだけど、さっきの動きを止められる技?みたいなのをやられたら厄介。』
『たしかにそうね…』
『おい。なんか変だぞ。』
ノワルとルキナが
話してる中で俺はアロガントの様子を伺っていた。
何か様子がおかしい…
彼らが身を潜めているころアロガントは街を破壊しながらタカシ達を探していた。
『オオットヤリスギテシマッタ!ハッハッハッミウシナッテシマッタガ、スグミツカルダ…グ!?!?』
アロガントは、タカシを殴り飛ばしてしまい見失ってしまったが、マトモに入った手応えがあったので悠々とそちらに向かっていたが、突然苦しげにうめき膝をついた。
ドクン…ドクン…ドクン
と何かが脈打つ音がアロガントから響き、彼の体から更に魔力が吹き上がった。
さながら火山の噴火の如く。
『アグ…グゥ…ギ!!グガァァァァ?!?』
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