決闘


『ことわ…!?!?』


唐突に始まった決闘。

『俺の名はアロガント・オルグイユーズ。

オルグイユーズ家を継ぐ。そして、俺こそが竜種最強だ!!俺が勝ったらその2人を俺のモノにさせてもらうぞ!!』


はあ???


俺のもの??

そもそもノワルもルキナもモノじゃねえし、2人の意思もあるだろうにいきなり滅茶苦茶言いやがる…

『そんな条件飲めるわけないだろうが!それに、あんたは2人とどんな関係があるんだ!?』

何となくだが、察しはついているが聞いてみることにした。

『この俺が、今日見て妻にすると決めたのだ。そこの黒髪はな。ルキナは俺の婚約者候補から婚約者にしてやるんだよ。』

『…婚約者??そんなのになった記憶無いんだけど??…もちろん候補にもなってない。

…あなたの家とは付き合いがあるみたいだけど、うちは自分の伴侶は自分で見つけろってスタイルだから。』

ルキナはアロガントの言葉に怒りを通り越して呆れている様子だった。

『好みじゃないわね。顔も性格も。論外だわ。』

ノワルは絶対零度の眼差しを送るが

『何をごちゃごちゃと!!そこのクズに勝てば貴様らは俺のモノになる。この俺が決めた事だ。そして、俺はそこの雑魚クズに負ける事は決してあり得ないのだよ!!!ハッハッハ!!』

なんだこの俺がルール野郎は…

全く話の通じないじゃねえか…!!


『くそ!?やるしかねえか…!!』

タカシが構えると、

『オラオラ!!』

こちらに素早く拳の連打を浴びせてきた。

動きは単調であるが、高い威力を誇っている連打に驚きの余り反応が遅れてしまう。

ガガガ!!

『くっなんて威力と速度だ!!』

。合図もなしに始まる決闘に虚を突かれ流れがアロガントに向く。

『ふん!所詮は底辺か。このまま嬲り殺しにしてやる!!』

腕を振り上げ、止めの一撃を放とうとしている

『く!!ここだ!!』

『ぐ!?!?』

大きく振りかぶった拳を見たタカシは首を捻って避け、カウンターのボディーブローを叩き込んだのだ。

流石に効くだろう。

ただのパンチでは無く、相手の勢いも利用した上に、腹への不意打ちなのだ。

それが決まり押せ押せであったアロガントも体勢を崩す。

『ここぉ!!』

一旦引きながらこう!!

『ぐがぁ!?!?』

隙を晒したアロガントにすかさず追い討ちの蹴り上げによる勢いを利用して距離を取った。

『クッ!!この俺の顔を足蹴にするだと!?

貴様、ただではすまさん!!!』


格下からの思わぬ反撃にプライドを深く傷つけられたってところだろう。

怒髪天を突くかの如く怒り狂ってやがる。


『オオオオオオオオ!!!!』

雄叫びからの先ほどとは比べ物にならない速度で迫るアロガント。

せっかく取った距離を瞬く間に詰められる。


『さっきまでは本気じゃねえって事かよ!?

『当たり前だろう!貴様如きにここまで出す事になるとはな!』

『さっきから何でそこまで下に見られてるんだ!上級貴族がそんな偉いか!?』

そんな疑問に対して、アロガントの部下達を圧倒しながらノワルが答えた。

『まあ、偉いわね。オルグイユーズ家って結構な名門だったはずね。』

『…そうなの??』


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る