合流その1
酒場で時間をつぶしていると、ルキナが入ってくるのが見えた。
『おーい。こっちだ』
ルキナはタカシの声に気づくとパタパタと走り寄ってきた。
席に着くのルキナの表情を見て、ここにくる前の出来事を思い出しながら告げた。
『なんかあったのか?俺は変な格好をした奴に襲われた。何とか返り討ちにしたけど、似たような事が町中で起きてるみたいだ。』
『…わたしも、5、6人に絡まれた。…武器持ってたから、正当防衛として全員殴り倒した。…あとは警邏の人に任せた。』
さらっとかなりトンデモナイ状況に遭っていたらしい。
『え…大丈夫だったのか??』
(殺してはいないんだよな?)
見たところ無傷だし、そう簡単にどにかなるような子ではない事は分かっている。
『…うん。…殺さないように手加減できる程度だったから。…それよりも、タカシを襲った奴ってどんな奴?』
相当な実力差がなければ出来ない芸当を普通にしていた。
『さ、流石だな。俺を襲撃してきた奴は、白いカツラでスカートをはいてる女装の変態だった。どう見ても無理して着てる感じだった。』
(アレは多分、無理矢理着てる。男と女を超越した方々ではないな…)
襲撃者の姿を頭に浮かべながら気分を害していた。何のための女装か知らないが、本物の皆さんが見たらブチギレる系のやつだ…
『…そ、そうなんだ。』
流石のルキナもドン引きしているようだ…
『格好は変質者だったけど、かなり強かった。ルキナ達に鍛えられて無かったら攫われてたかもしれない。』
『…攫われる??…どういう事??』
『よく分からないけど、俺のことを攫ってやるみたいな事を、言っていたんだ。どこに連れて行く気だったかは知らないかどな。』
やれやれ、俺なんぞ攫ったところで、金にもならないし、誰かとの交渉に使えるわけでも無いんだけどな…
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