屋敷内見(アンデットの巣窟)


そんな事をやっている頃ノワルは家の内見をしていた。

不動産屋から

"ここは曰く付き。呪われているに等しいから住めるのならタダで譲る。"

と言われた。

大外れ物件を早く片付けたいらしい。

この家は屋敷と言えるほどの広さがあったが、焼けたあとや刃物で切った跡や血痕がそこかしこにある上に、レイスやスケルトンなどが殺し合っているというヤバすぎる物件だった。

"アンクリーンオーラ"

という魔法を使い、レイスやスケルトンも同様に不浄なオーラを纏う事でアンデット達に気付かれずに内見した。

見た所、1階は大きな台所・広いリビング・広いダイニグ・10人は入れそうな浴場・水洗トイレ

2階は個室が5つありそれぞれが結構しっかりとした造りになっており、建物自体は非常に良い。

しかし、この物件は


一家心中が3回連続で起きる

痴情のもつれにより殺し合いが2回発生

謎の奇声や悪霊が発生

除霊を行うも凄まじい怨念と執着により断念

とアンデットが好みそうな負のエネルギーが満ちている。

朝になっても全く晴れない、10人の厄払い"エクソシズム"を受けても落ちない油汚れの様にしぶとくのこびりついてしまった。

『憎悪、悲しみ、怒り、嫉妬などの負の情念が渦巻いてるわね…うっぷ…』


とにかく具合悪くなるレベルの精神汚染や大気汚染がおきていた。

外からわかるほど澱み切った空気は建物内に充満している。

『これは…』

そんな中を探索していると、紫色の禍々しい鎖と杭が刺さっていた。

『見るからに怪しいわね…抜けるのかしら?』

慎重に触れてみると、紫色に光りこちらに鎖を伸ばしてきたが

体に触れる瞬間に禍々しいチカラを発したが弾かれて地面に落ちた。

『なんなの??』

と疑問に思っていると、周りの風景が変わっている。

その鎖は至る所に伸びている。

その一つを辿っていくと、2階の部屋の中に伸びていた。

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