修行、苦行


帰りにまた気絶した。

気が付いたら街に戻っていた。

『お疲れ様。もうちょっと鍛えた方が良さそうね。』

『…うん、タカシ気絶しすぎ。…それは置いておいて、冒険楽しかった。』

目を覚ました俺にそう言いながら笑ったルキナ。



その日からノワルとルキナに鍛えられる日々が始まった。

『わたしが師匠に教わったことは…倒れるまでチカラを練る、倒れるまで走る、倒れるまで筋トレ、倒れるまで素振りだ。よしやろう。』

真顔でこんな事をいうノワル

『…何でも川の向こうで人が手を振ってる所が見えるまでやる。…逝ってもすぐに連れ戻すから心配ない。』

とニコニコしているルキナ

『冗談…ではないみたいだな…』

『モンスターに食い殺されたり、夜盗とかに好きにされるのは御免だからね。』

『…最後に信じられるのは自分しかない。…私たちが負けたり、1人で行動してる時に逃げるだけの体力は必要。』

その通りだ。冒険者にとって最も重視される能力は、最後まで生き残るしぶとさだ。

『やってやんよ!!』

俺が半分ヤケになって叫ぶと、2人はニコリと笑って、腕をコキリとならした。

それから、彼女らの自己鍛錬に巻き込まれる形で鍛える事になった。

…本当に有言実行するとは思わなかった。

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