黄金ゴーレム

そんな事をやっていると、地面が揺れ始めた

『うお!?なんだ!?』


『…なにか大きいヤツが近づいて来てる。』

ズシン!ズシン!と音と振動が強くなっきた。

おいおい…起きて早々いきなり遭遇か?

『来たな。』


ノワルが魔力を練り始めたのを確認した俺は、

ゴーレム系について頭の中で思い出した。


『魔法で一気に手足を吹っ飛ばすんだな?』

定石通りの様だ。


『そうよ。ルキナ!あなたは私が崩した後にコアを頼むわね。タカシはその後に素材回収よ。』


ノワルが素早く指示を出した。

『…分かった。』

『了解した。』

俺たちが構えた前に現れたのは

黄金に輝く巨大なゴーレムだった。

『先手必勝!!"シャドウランス"!!』

魔法陣から四つの黒い槍が現れる。

ノワルが魔法を発動させ撃ち出そうとした瞬間から

『…ノワル!待って!あれは!』

それを見たルキナがノワルに叫ぶが遅かった。


『え…ぐは!?!?』

ノワルが自分の魔法を受けて吹き飛んだ。

そしてゴールデンゴーレムは傷一つ負っていない。

『…金の体は魔法が効かない。まさか…ゴーレムもなんて…』

『マジかよ!?』

なんと、あのゴーレムは魔法を投げ返したのだ。

『おい!大丈夫か!?』

吹き飛んだ方に

懐から回復ポーションを取り出しながらノワルに駆け寄る。

『ち!噂には聞いてたけど、本当に魔法を投げ返すなんて。』

刺さった自分の魔法を解除しながら腕を抑えるノワルにポーションを渡すと、ルキナが後ろから俺たちを抱えて、ゴーレムから離れた。

ゴーレムはこちらを追わずにその場にとどまって、周りを探っている様に頭の様な部分を左右に振ってこちらを探している。

岩の影に逃れた俺たちは先ほど現象について話す事にした。

アレがなんなのか分からないと、逃げ帰るしか無くなるのだ。

『アレはスキルか?』

『…ちょっと違う。固有の耐性。魔力を完全に遮断できる。投げ返した様に見えたのは体を振り回して跳ね返すようにしたんだと思う。』


『つまり、自分の体で受け止めたシャドウランスを振り回した勢いを利用して打ち返したって感じか?』


『…そんのところ。…狙ってやってたらすごい技量。』

遮断するだけで、消すわけじゃないから、勢いは殺さない。だから体を振り回して受け流し、相手に返す…のか?

なんてヤツだよ…

『なるほど…じゃあ、ヤツにはゴーレム攻略の定石は無駄ってことよね?』

回復ポーションを飲み回復をした様子のノワルが起き上がってきた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る