第20話 下水掃除の準備

日当5万は大きい。

『準備は怠らないつもりです。それに、あのネズミどもは、働いていたレストランでもいました。奴らの厄介さは知っています。』


タカシはレストランで働いていた頃、アンダーマウスを相手に同僚達と共に死闘を繰り広げていた。

『そ、そうでしたか。それならあまり心配はいらないですね。』

タカシの実感の籠った言葉に少し引いた様子だったが、彼は気が付かなかった。

指定区画はちょうど、タカシが働いていた所の地下だった。

『あそこかー良かったぁ…知ってるところで。』

王都は広く、まだまだ行った事がない所は多い。

『さてと。行く前に準備をしないとな。』

アンダーマウスは腐った肉や血の匂いに誘われてやってくる。

彼らは五感に優れており、群れで特定の区間を巡回する習性をもっている。

という事で、肉屋から腐った肉を貰い魚屋から腐った魚を貰って混ぜ込んでおく。

とんでもなく臭くなるので、壺に入れて長い棒で棒で混ぜた。

風の魔法

ウィンドベールで包み、袋に入れる事で臭いを無くして運んだ。

ウィンドベールは空気の膜で覆う防護魔法である。

薄さを調整する事で、袋に入れられる。

これは、さまざまな店で使われている技法だ。

袋から出すと魔法が解かれることにより、臭いを閉じ込めたり、鮮度を保ったりできるのだ。

これをエサに、罠を設置して一気に狩り取るのだ!


「よし、罠が出来たぞ。』

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